リノベーション物件は高く売れると思っていませんか?
確かに、魅力的なマンションにするためには、物件をきれいにすることが大切です。
しかしマンションを売る前にリノベーションをおこない、本当に費用対効果が得られるのかという問題があります。
- 安く買って自分好みにリフォームしたい人が多いからリノベーションはしなくて良い
- リノベーションにお金をかけても回収できないケースがほとんど
- 部分的なリフォームなら効果的
この記事では、マンションをリノベーションして売ると損をする理由からリノベーションの失敗事例について紹介していきます。
リノベーションとは
リノベーションとは、間取りの変更など大規模な改修によって物件をきれいにすることをいい、リノベーションされたマンションは価値が上がり、市場価格よりも高く売却することができます。
ただしリフォームとは違い、規模が大きいので費用が高額になるという特徴があります。
リノベーションとリフォームの違いは、以下のとおりです。
リノベーション | 間取りの変更を伴うような大規模なもの。用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりすること。 |
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リフォーム | 汚れた壁紙を張り替えるなどの小規模なもの。老朽化した建物を建築当初の性能に戻すことを目的におこなう。 |
つまり部分的な補修のためにおこなうリフォームとは違い、リノベーションは部屋全体をパワーアップさせるためにおこなうもの、ということです。
マンションをリノベーションして売ると損をする可能性大!
マンションをリノベーションして売ると不利になる可能性が高いので注意してください。
中古マンションの購入を検討している人のほとんどは、安く買って自分好みにリフォームしたいという希望を持っています。
そのため既にリノベーション済みのマンションは、自分でリフォームをおこないたい人たちの検討物件から外されてしまいます。
リノベーション済みマンションは、リノベーション費用が売却価格に上乗せされて高くなっているからです。
リフォームをして売りたいというニーズが高いことから、「リノベーション向きの中古マンション」としてホームページで特集をしている不動産業者もいるほどです。
良かれと思ってリノベーションしても、ほとんどの場合は裏目に出て売りづらくなります。
では、リノベーションをおこなうリスクについて掘り下げて解説していきます。
マンションを売る前にリノベーションをする3つのリスク
リノベーションをおこなうと買い手がつきやすくなると思っていた人も多いかもしれませんが、費用対効果が合わないため行うべきではありません。
マンションを売る前にリノベーションすることには、以下のリスクが伴います。
- 費用を回収できるとは限らない
- センスがないと逆効果になる
- 身体的かつ時間的負担が大きい
それぞれ詳しく解説していきます。
費用を回収できるとは限らない!損をするケースも珍しくないので注意しよう
マンションのリノベーションにお金をかけても、確実に回収できるとは限りません。
例えば、もともと3,000万円の価値のあるマンションに対して1,000万円かけてリノベーションをしても、4,000万円で売れる保証はありません。
むしろ同条件の他の物件よりも割高になってしまい、敬遠される可能性があります。
売れ残ってしまえば、元も子もありませんよね。
最終的に値下げせざるを得なくなって、リノベーションにかけた費用が回収できずに損をしてしまうケースも珍しくありません。
センスがないと逆効果になる
リノベーションはセンスが命であり、せっかくリノベーションをしてもセンスが悪ければマンションは売れません。
相場価格よりも高いうえにセンスが悪ければ、売れないのは当然といえます。
デザインにこだわって大規模な改修をやろうと思うと今度はコストがかさんでしまいますので、リノベーションをするという選択肢自体、捨てるのが賢明でしょう。
身体的かつ時間的負担が大きい
マンション売却時のリノベーションは高額な費用がかかるのはもちろん、身体的にも時間的にも大きな負担になります。
リノベーションをおこなうことになった場合の、スケジュールは以下のとおりです。
- リノベーションのスケジュール
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- 部屋の現状を確認したうえで、リノベーション計画を立てる
- 管理規約で規制された施工内容の有無や、手続きについて確認する
- 複数の業者に同じ施工内容に対する見積もりを依頼する
- 予算も考慮しながら、内容について詳細な打ち合わせをする
- すべての内容に納得ができたら、業者と契約を交わす
- 工事に入る前に管理組合に届け出をおこない、近隣住民へのあいさつをおこなう
- 工事が完了したら、依頼どおりに仕上がっているかを確認する
以上のことを、マンション売却の手続きと合わせて進めていかなければならないのです。
リノベーションは売主の負担が大きい割に高値売却できる可能性は低く、おこなうべきではないでしょう。
売却前にリノベーションをおこなって失敗した人の事例を紹介していきますので、参考にしてください。
売却前にリノベーションをして失敗した事例を紹介!
マンション売却時にリノベーションをして失敗した事例を紹介していきます。
リノベーションをするにあたって注意しなければならないのは、以下のとおりです。
- リノベーションをするときに気を付けなければならないこと
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- リノベーション費用を回収できるかどうか
- 工事内容に関して、近隣住民から承諾を得ること
- 施工の2週間前までに工事内容を管理組合に提出し、理事会の承認を得ること
これらのことに気をつけておかないと、次のようなトラブルに発展してしまいかねません。
かかった費用を回収できなかった
リノベーションしたほうが高く売却できるだろうと大規模なリノベーションを実施したにもかかわらず、売れ残ってしまったという事例があります。
物件の相場価格よりも高いマンションはリノベーション済みできれいだとしても、買い手が現れにくいのが現実です。
リノベーションに1,000万円かけたとしても、かけた金額以上に高く売れることは少なく、買主からは高すぎる物件という印象を抱かれてスルーされてしまうケースがほとんどでしょう。
隣人に許可なく工事を始めて苦情がきてしまった
隣人にリノベーションの工事内容を事前に伝えていなかったために、苦情がきてしまった事例です。
解体時や大工工事の際などに発生する大きな騒音が迷惑になるのはもちろん、軽微な音でも断続的に続けば近隣の人にとって非常にストレスになります。
隣人は静かに読書をしていたり、大切な電話をしていたり、あるいは勉強中だったり、さらには体調が悪かったりする可能性があります。
隣人にリノベーションの日程を事前に伝えておくことで、その日は外出する日に設定するなど、スケジュールを調整することが可能になるのですから、しっかりと伝える必要があるのです。
どうせマンションを売却して引っ越すのだから隣人との関係が悪くなってもいい、と思ってはいけません。
その後暮らす買主にとっては大事な問題ですし、トラブルが大きくなれば苦情があったことを買主に伝えなければならず、マンションが売れにくくなってしまいます。
業者に任せっきりにしたら管理規約を違反していた
日頃からリノベーションを手がけている業者なら、任せっきりにしても問題ないだろうと思われるかもしれません。
しかしマンションごとに管理規約の内容は少しずつ違うため、業者が把握しきれていない部分もあります。
実際に管理規約を守ることを知らずに施工してしまい、あとになってから管理組合からやり直しを命じられたという事例があります。
リノベーションが売主の負担となって業者に任せっきりになるくらいなら、やらないほうが良いかもしれません。
物件があまりにも汚く、不動産業者から補修を勧められた場合は、リノベーションではなくリフォームを検討しましょう。
部分的なリフォームならマンション売却を優位にする
マンション売却時にリノベーションという大規模な改修をおこなう必要はありませんが、簡単なリフォームはマンションの価値を高めるのに有効です。
例えば古い設備を新しくしたり、汚れた畳やふすまを交換したりするなど、高額なお金をかけなくてもマンションの印象は良くすることができます。
マンション売却時のリフォームに関して詳しく知りたい場合は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マンション売却はリフォームして売るべき?費用はいくらかけるのが妥当?
マンションはリフォームして売るべき?この記事では、マンション売却でかかるリフォーム代について紹介しています。諸費用はなるべくおさえて中古マンションを高値売却するコツを確認しておきましょう。
管理人からの一言「リノベーションは大げさすぎる」
マンションの価値を上げて高く売却したいからといって、大々的にリノベーションをすることで、かえって売りづらい物件になってしまいます。
リノベーションにかかった費用を回収できないリスクの高さを考えると、小規模なリフォームの実施がベストです。
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