タワーマンションを購入しようと考えている人は、固定資産税に注意してください。
平成29年度に税制改正がおこなわれ、高層階になればなるほど、固定資産税も高くなる仕組みになっているからです。
では、具体的にいくらになるのでしょうか。
この記事では、「税制改正の背景と内容」から「計算方法」について紹介していきます。
タワーマンションの固定資産税が見直しになった内容は?
平成29年度の税制改正によって、タワーマンションの固定資産税が変更になっています。
階数には影響されず、面積が同じであれば料金は一律。
高層階は増税、低層階は減税となる。
もともとマンションの取引価格は、階数によって異なります。
にもかかわらず、固定資産税はマンション全体で平均され、負担金額が決まります。
低層階の住民からすると、不公平に感じるのは当然ですよね。
そこで政府は取引価格、つまり物件価値に応じて固定資産税が評価されるよう税制改正をおこないました。
改正の影響を受ける物件の条件【2018年以降建設・20階以上】
税制改正の影響があるのは、2018年以降に建てられた20階以上のマンションになります。
以下のようなマンションは、税制改正の影響はありません。
- 税制改正の影響を受けない物件
-
- 2018年以前に建てられたマンション
- 20階未満のマンション
税制改正後に購入したとしても、2018年以前に建てられた中古マンションの場合は、これまで通りマンション全体で一律の固定資産税額です。
また今回の税制改正におけるタワーマンションの定義は、20階以上となっています。
20階未満のマンションも、従来の方法で固定資産税額が決まるということです。
もしかすると20階未満のマンションよりも、タワーマンションの低層階のほうが固定資産税が安くなる可能性があります。
これから購入を考えている人は、その点も視野にマンション選びをすると良いかもしれません。
これからは低層階も人気を集める
これまで、タワーマンションの低層階は人気がありませんでした。
タワーマンションの低層階が人気がなかった理由は、以下のとおりです。
- タワーマンションだからこそ味わえる眺望の良さがない
- タワーマンション節税の効果が薄い
(タワーマンション節税については、後述で詳しく解説します。)
タワーマンションの固定資産税が見直されたことによって、低層階の固定資産税はこれまで以上に安くなりました。
中低層マンションよりも固定資産税が安くなるケースもあるため、今まで手が届かなかった人たちも検討するようになります。
一般に売れにくいと言われていたタワーマンションの低層階も、人気を集めるようになるということです。
下記の記事は、タワーマンションの売却について紹介している記事です。
興味がある人は、合わせてご覧ください。
タワーマンション売却のポイントと注意点|低層階でも高く売る3つのコツ
この記事では、タワーマンション売却のポイントと注意点、低層階でも高く売るコツについて解説しています。今が売り時である理由についても紹介していますので、参考にしてください。タワーマンションは売る方法に気をつけないと、売れない可能性が高いので注意が必要です。
マンション高層階の税金が高くなるのはいつから?
高層階の税金が高くなるのは、平成29年1月2日以降に建てられた新築マンションからです。
適用は、平成30年度分の固定資産税からになります。
対象物件 | 平成29年1月2日以降に新築されたマンション |
---|---|
適用時期 | 平成30年度分の支払いから |
平成30年12月現在、すでに適用となっていますので、購入前に固定資産税がいくらなのか確認することをおすすめします。
とはいえ、「税制改正によってどのくらい金額が変わったのか知りたい」という人もいると思います。
計算方法を紹介していきますので、参考にしてください。
実際に支払う固定資産税はいくら?階数補正の目安は?
2018年以降に新築された20階以上のマンションの固定資産税は、1階の固定資産税に39分の10をしていき、計算することができます。
公益社団法人 全日本不動産協会のホームページにも、計算方法について記載されていましたので参考にしてください。
居住用超高層建築物の1階を100とし、階が1つ増えるごとに、これに10/39を加算した数値とされます。したがって、[N階の階層別専有床面積補正率=100+10/39×(N-1)]となります。
つまり、1階数ごとに0.256%ずつ差が生じるということです。
高層階 | 1階高くなるごとに0.256%ずつ増税 |
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低層階 | 1階低くなるごとに0.256%ずつ減税 |
節税効果なしに?税制改正によって相続税にも変更があったので注意!
固定資産税が見直された背景には、富裕層によるタワマンを活用した相続税対策を封じる目的もあります。
どういうことかというと、これまで高層階の部屋を購入しても、固定資産税評価額は低層階と同じでした。
固定資産税評価額は、そのまま相続税の評価額にもなります。
つまりタワマンの高層階は、物件の価値に対して相続税が安く、その差額が節税効果を生んでいたということです。
とはいえ、これからタワマン購入による節税効果が全くないかというと、そうではありません。
土地の持ち分が小さいタワマンは、増税したとはいえ、1戸あたりの固定資産税額は少額になります。
マンション全体の固定資産税額が1,500万円の場合
世帯数 | 1戸あたりの評価額(平均) | |
---|---|---|
中低層マンション | 50戸 | 30万円 |
タワーマンション | 150戸 | 10万円 |
タワーマンション節税は、まだまだ効果が期待できるということです。
管理人からの一言「固定資産税の見直しの影響は少ない」
タワーマンション税制改正のポイントをまとめると、以下のとおりになります。
- 人気がなかったタワーマンションの低層階も売れるようになる(新築)
- タワーマンション節税をおこなう人が減る
- 中古タワーマンションの高層階は人気がでる
- 中古タワーマンションの低層階は人気がなくなる
ただし、劇的に市場の動きが変化するわけではありません。
これからタワーマンションを購入または売却しようと考えている人は、頭の片隅に置いておくと良いでしょう。