ワンルームマンションを売却する理由には、「転売をして儲けたい」「赤字となってしまい採算が合わないから手放したい」という2パターンあります。
両極端な状況ではありますが、ワンルームマンションをできるだけ高く売りたいという希望は一致しているのではないでしょうか。
とはいえ、「どうやって売却すればいいの?」「高く売れる時期は?」などの疑問を抱えている人も多いと思います。
この記事では、「ワンルームマンションの売却相場はいくら?」から「キャピタルゲインが見込めるタイミング」「売却したときにかかる税金と費用」について紹介していきますので参考にしてください。
ワンルームマンションの売却相場はいくら?
ワンルームマンションの売却相場は、収益還元法を用いて算出します。
収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」がありますが、直接還元法を使用するのが一般的です。
DCF法は、将来得られるであろう利益を考えて売却価格を求める方法で、精密な金額を算出できる一方で計算が難解であるという特徴があります。
ワンルームマンションの売却相場をつかむのには、直接還元法で十分でしょう。
直接還元法の計算式
表面利回りには、「純収益÷物件の購入価格」で算出した金額を当てはめてください。
上記の計算式から、ワンルームマンションの売却相場は表面利回りによって左右されることがわかります。
当然といえば当然ですが、利回りが良い物件は高く売れますし、利回りが悪ければ安くなってしまうということです。
ただし直接還元法で算出できるのは、あくまでも売却相場の目安でしかありません。
不動産会社に査定してもらって調べるのがベター
ワンルームマンションの売却相場は、不動産のプロに査定してもらって調べるのがベターです。
不動産会社は莫大な情報をもとに売却相場を提示してくれるため、より正確な金額を把握することができます。
不動産会社に見積もり依頼したからといって、必ずしも売却しなければいけない訳ではありませんので安心してください。
とはいえ、中にはしつこく勧誘してくる不動産会社もあるため、相談するのをためらう気持ちもわかります。
最近では本などでも紹介されるようになり、投資家だけでなく自宅を売却したいという人からも注目を集めているサービスです。
不動産一括査定サイトについては、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
不動産一括査定サイト大手12社を徹底比較!おすすめサイトから選び方まで解説
不動産一括査定サイトを利用すれば、物件がいくらで売却できるか効率的に調べられるだけでなく、質の良い不動産会社にも出会えます。できるだけ好条件で売るためには、サイト選びが重要。不動産のプロである管理人が、おすすめのサイトと選び方のポイントを解説していきます。
売却時期はいつがベスト?キャピタルゲインが見込めるタイミング
不動産投資をはじめ株や債券などの証券投資にも言えることですが、すべての投資は出口戦略に成功するかどうかによって、その投資が成功だったのか失敗だったのか決まります。
どんなに含み益があっても、売却時期を逃して損をしたという例はいくらでもあるからです。
せっかく家賃収入で利益を得ていても、出口戦略で失敗すれば、今まで稼いだ意味がなくなってしまいます。
月々のキャッシュフローなどにのみ気を取られ、出口戦略について真剣に考えていなかったという人も多いのではないでしょうか。
キャピタルゲインが見込めるタイミングは、以下のとおりです。
- 市場が上昇したとき
- デッドクロスを迎えたとき
投資用マンションの売却時期については、下記の記事でも詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
投資用マンションを売却するベストタイミングは?税金はいくらかかる?
投資用マンションを売却するタイミングと税金・費用、売却方法について解説しています。売り時を見極め、売却損を出さないためには、不動産の現状をしっかりと把握することが必須になります。赤字物件でも高く売ることは可能ですので、諦めずに戦略を練って売却に挑みましょう。
市場が上昇したとき
市場が上昇したときに売却すれば、キャピタルゲインを狙えるというのは周知のことだと思います。
しかし市場の上昇を見極めるのは、そう簡単ではありません。
「3ヶ月前に売っておけば、今より2割は高く売れたのに」ということも、よくある話です。
投資用ワンルームマンションの売却を検討したら、市場の流れに敏感になりましょう。
市場の流れの読み方は、自分が保有しているマンションの売却相場をあらかじめ把握したうえで、類似する物件の価格変動をチェックします。
類似物件が売却相場よりも高く売れ始めたら、そのタイミングを逃さないようにしましょう。
もっと価格上昇するかもしれないからとタイミングを見計らいすぎると、売却時期を逃してしまう可能性がありますので注意してください。
一般的に不動産市況は、上昇するときはなだらかですが、下がるときは一気に下落してしまいます。
デッドクロスを迎える前
ローンの元金返済額が減価償却費を上回ることを、「デッドクロス」といいます。
デッドクロスを迎えてしまうと、帳簿上は黒字にもかかわらず手元に現金が全く残らないという状況に陥ってしまいます。
むしろ利益に対して課税される税金によって、収支は赤字になってしまうことも珍しくありません。
デッドクロスになる前に、売却してしまうのが賢明です。
投資用ワンルームマンションを売却したときにかかる税金
無駄な税金を払って損をしないために、投資用ワンルームマンションを売却したときの税金について把握しておきましょう。
投資用ワンルームマンションを売却したときにかかる税金は、以下のとおりです。
- 譲渡所得税
- 印紙税
- 登録免許税
- 消費税
譲渡所得税は、ワンルームマンションを売却したときに生じた利益に対して課税される税金で、「売却代金-(取得費+譲渡にかかった費用)×税率」で求めます。
税率は所有期間によって異なり、5年超の場合は15%、5年以下の場合は30%になります。
印紙税は契約書作成時に課税される税金で、5千または1万円が相場です。
登録免許税は登記抹消にかかる税金で相場は数千円と安価ですが、司法書士に支払う手数料が別途、数万円かかりますので注意してください。
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投資用マンションの売却では消費税が課税される
居住用マンションの場合は課税されないのですが、投資用マンションを売却する場合には、買主から受け取る売却代金に対して消費税が課せられます。
国税庁のホームページに以下のように記載がありますので、参考にしてください。
消費税の課税の対象となる取引は、「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」であり、また、その性質上事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡等も含まれます。
ただし、すべての投資家が消費税を納めなければならない訳ではなく、免税事業者に該当する場合は消費税を納税する必要はありません。
マンションに課せられる消費税について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
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その他にかかる費用
投資用ワンルームマンションの売却では、税金以外にも様々な費用がかかります。
- 不動産業者に支払う仲介手数料
- 銀行のローン解約事務手数料
- 要返還敷金
不動産売却にかかる費用で最も高額なのが不動産業者に支払う仲介手数料で、「売却代金×3%+6万円」となっています。
ローン解約事務手数料は銀行によって料金設定が異なりますので、借入先の金融機関にいくらかかるか確認してください。
また入居者から預かっている敷金は、退去時に返還する必要があるため、売買取引したら次のオーナーに引き継がなければなりませんので用意しておきましょう。
区分マンションを売って売却益が生じたら確定申告が必要
区分マンションを売却して利益を得た場合、譲渡所得税が課せられるため、確定申告しなければなりません。
これまでも家賃収入を確定申告していたため問題ないと思いますが、申告時期はワンルームマンションを売却した翌年の2月16日から3月15日の間になります。
確定申告を怠ると延滞税などのペナルティが科せられてしまいますので、忘れずに申告しましょう。
家賃収入(不動産所得)は、給与所得などの他の所得と合算して計算する一方で、売却損益(譲渡所得)は他の所得と分けて計算する分離課税になるという相違点があります。
売却損が出たとしても、他の所得から差し引いて計算することはできませんので注意してください。
マンション売却時の確定申告については、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
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管理人からの一言「ワンルームマンションの売却相場は売却時期によって大幅に異なる」
投資の出口戦略で成功するためには、売却時期と不動産会社の選択が重要になります。
ワンルームマンションの売却相場は、売りに出すタイミングや時期、不動産会社の営業力によって大幅に異なるからです。
赤字となり採算が取れなくなってしまった人も、キャピタルゲインを狙いたい人も、この2点に注意して売却活動をおこなってください。
イエウールで一括査定したら310万も高くなった
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