所有する土地や建物がいくらで売れるか知りたい人は、実勢価格を調べましょう。
路線価や公示価格、固定資産税評価額など、土地の価値を表すものはたくさんあります。
しかし、いくらで売却できるかを把握するためには、実際に市場で売買取引されている価格である実勢価格を把握するのが最適です。
- 販売価格や市場価格を参考に売却価格を決めると損をする
- 路線価から計算するなら「路線価÷0.8×1.1」
- 公示価格から計算するなら「公示価格×1.1」
- 不動産一括査定サイトを利用すると、より正確な実勢価格がわかる
間違った調べ方をしてしまうと、数百万円もの損をすることになりますので注意してください。
実勢価格とは?販売価格や市場価格との違い
冒頭でも説明しましたが、実勢価格は実際に市場で取引される価格、つまりその土地の価値のことです。
時価と呼ばれる場合もありますが、時価は「その時点での価値」という意味なので、実勢価格よりも広い意味で使われます。
また販売価格や市場価格と混同されやすいのですが、これら3つの価格には以下の違いがあります。
実勢価格 | 実際に売買取引されている価格のこと |
---|---|
販売価格 | 売主が不動産に値付けした価格のこと(=売出価格) |
市場価格 | 需要と供給のバランスによって形成される価格のこと |
土地などの不動産には定価がないため、実勢価格と販売価格、市場価格にはズレが生じるのが一般的です。
土地の値段を正しく出すためには、市場価格や他の物件の販売価格を鵜呑みにしすぎてはいけないということです。
不動産ポータルサイトに記載されている金額は販売価格
みなさんがよく目にする不動産の価格というと、不動産ポータルサイトに記載されている金額ではないでしょうか。
どんな物件がいくらで売り出されているかチェックできるメリットはありますが、あくまでも売主が決めた販売価格であり、実勢価格とはイコールではありません。
販売価格は売主が自由に決めることができるため、以下のような落とし穴があります。
販売価格を鵜呑みにしてはいけない理由
- 安すぎて損をしてしまっている物件の可能性があるから
- 高すぎて売れ残ってしまう物件の可能性があるから
早く売りたくてあえて販売価格を安くしている場合もあれば、できるだけ高く売るために強気の値段設定をしている場合もあります。
不動産ポータルサイトに記載されている販売価格には、物件ごとに様々な背景があることを覚えておきましょう。
では、自分の家の実勢価格はどうやって調べればいいのかについて解説していきます。
土地の実勢価格の調べ方!少なく見積もると損をする
土地の実勢価格を調べる方法には、以下の3通りあります。
- レインズで類似物件の最終取引価格を調べる
- 国土交通省の土地総合情報システムを利用する
- 不動産会社に査定してもらう
上の2つの方法からは、類似物件の過去の実勢価格がわかります。
3つ目の方法では、実際に所有する土地の実勢価格がわかるため、より正確な数字が知りたい人におすすめです。
では、実勢価格を調べる3つの方法について詳しく紹介していきます。
自分のニーズに合わせて、どの方法で実勢価格を調べるか選択してください。
レインズで類似物件の最終取引価格を調べる
画像引用元: レインズ
レインズとは、不動産取引の情報を公開しているサイトです。
過去の売買取引における最終取引価格、つまり実勢価格を調べることができます。
ただし過去の、しかも類似物件の実勢価格を調べたところで、所有する不動産がいくらで売れるのか適切に判断するのは難しいかもしれません。
不動産にはそれぞれ個性があり、一つとして同じ物件はないからです。
過去に取引された実勢価格を把握できても、そこから所有している不動産の個性を考慮したうえで妥当な金額を算出するのは至難の業でしょう。
レインズから実勢価格を調べる方法は、上級者向けです。
国土交通省の土地総合情報システムを利用する
画像引用元: 土地総合情報システム
国土交通省は、「土地総合情報システム」というサイトを運営しており、不動産取引価格の情報を一般に公開しています。
レインズ同様、実際に売買取引された価格を見ることができるので、売却する土地がいくらで売れるかの目安は把握できます。
何度か不動産売却を経験して、ある程度、実勢価格の算出についてわかる人は利用してみても良いと思います。
不動産会社に査定してもらうのがベスト
実勢価格は、同じ地域、類似する不動産だとしても個々で異なります。
そのため、売却経験が豊富にある不動産会社に査定依頼して調べるのが一番です。
他の物件がいくらで売れたか調べるよりも、不動産のプロに実際に物件を見てもらい、査定してもらったほうが良いのは言うまでもないでしょう。
不動産一括査定サイトとは、ネット上で物件の基本情報を入力するだけで、複数社にまとめて査定依頼できるサイトのことです。
特に、イエウールはしつこい営業電話がなく、不動産会社の質が高いと定評があり、おすすめです。
実際に、管理人が実家の実勢価格を調べたときもイエウールを利用しました。
今すぐ売りたい人よりも、値段が知りたいだけという利用者のほうが多い特徴があり、気軽に利用できるのも人気の理由ではないでしょうか。
イエウールを使った理由アンケート結果
実勢価格は路線価や公示価格の何倍で計算すればいい?
実勢価格は、不動産会社に査定依頼することで把握できますが、路線価や公示価格からでもだいたいの金額が算出可能です。
少しややこしいのですが、計算式にすると以下のようになります。
路線価から実勢価格を求める式
たとえば路線価が100万円であった場合の実勢価格は、「路線価100万円÷0.8×1.1=137万5千円」となります。
路線価は1㎡当たりの単価となっているため、これに対象不動産の面積を乗じます。
土地面積が70㎡であった場合、「137万5千円×70㎡=9,625万円」が売却価格の目安になるということです。
鵜呑みにしすぎず、目安程度にとどめておくのがベターです。
公示価格から実勢価格を求める式
公示価格が100万円であった場合、実勢価格は「100万円×1.1=110万円」となります。
ただし不動産には定価がないため、上記の計算式で求めることができるのは、あくまでも目安となる金額であるという点には注意してください。
また公示価格から実勢価格を計算したところで、公示価格自体の信ぴょう性が低いという落とし穴があります。
公示価格について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
公示地価とは?基準地価・実勢価格・路線価との違いをわかりやすく解説
公示地価とは?基準地価・実勢価格・路線価との違いをわかりやすく解説しています。公示価格の推移や高順位ランキングも紹介していますので参考にしてください。不動産を売る人は、公示地価で売却価格を決めてしまうと損をする可能性がありますので気をつけましょう。
不動産の実勢価格を固定資産税評価額から求める方法
次に、固定資産税評価額から実勢価格を求める方法を紹介していきます。
固定資産税評価額は、固定資産税納税額を計算するために設定されている価格です。
そのため実勢価格を求める最適の方法ではありませんが、だいたいの目安を調べることはできます。
固定資産税評価額は、毎年届く納税通知書に記載されていますので確認してください。
固定資産税評価額から実勢価格を求める式
たとえば固定資産税評価額が5,000万円だった場合、「固定資産税評価額5,000万円÷0.7×1.1=7,857万円」が実勢価格の目安になります。
固定資産税評価額は低めに設定されているため、実勢価格は固定資産税評価額よりも高くなるのが一般的です。
管理人からの一言「正確に実勢価格を知りたければ不動産会社に査定してもらうのが1番」
実勢価格の調べ方について紹介しましたが、結局は不動産会社に査定してもらうのが1番だと思います。
自分で過去の類似物件の実勢価格を調べたとしても、所有する不動産の実勢価格とは大きなズレが生じる可能性が高いからです。
地域ごとのミクロな住宅事情や市場の状況を把握している不動産会社なら、所有する不動産の価値をより正確に判断してもらえます。
イエウールで一括査定したら310万も高くなった
管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。
イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。
物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。