マンションを高く売却するためにはレインズについて知り、取引状況をしっかりと確認することが大切です。
今までレインズは不動産業者しか閲覧することができなかったため、インターネット上でもその情報が多く残っていますが、平成28年1月から売主もレインズを見ることができるようになりました。
売主自身が知識を身につけたうえでマンション売却に挑まなければ、悪質な不動産業者につけこまれ、安く売却することになりかねません。
この記事では、「レインズとは」から「レインズで取引状況を確認する方法」について紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
レインズ(レインズマーケットインフォメーション)とは?
レインズ(REINS)とは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が、不動産取引の透明性を確保するために運営している物件検索システムです。
国土交通大臣に指定された不動産流通機構は、全国に以下の4法人あります。
- 東日本レインズ
- 中部レインズ
- 近畿レインズ
- 西日本レインズ
それぞれ管轄する地域の物件情報をレインズに掲載し、全国の不動産業者に情報提供をおこなっています。
そしてレインズに掲載されている物件情報を見ながら、不動産業者は売主と買主をつなげるパイプ役を担います。
レインズを利用した不動産取引の仕組みは、以下のとおりです。
レインズに売却物件を登録することで、マンションの売却機会を格段に広げることができます。
不動産をレインズに登録する方法
レインズに売却する不動産を登録することで、マンション売却の成功率が上がるのであれば、誰しも登録したいと思うはずです。
しかしレインズへの登録は売主が直接おこなうわけではなく、売却依頼した不動産業者がおこないます。
面倒臭がらずに、しっかりとレインズへの登録をおこなってくれる誠実な不動産業者を選ばなければならないということです。
レインズが一般公開されてマンションの取引状況が確認できるようになった
レインズはもともと不動産業者のみが閲覧できるものだったのですが、平成28年1月より「取引状況の登録制度の導入と売却依頼主専用確認画面の提供」が開始され、登録内容や取引状況を売主も確認できるようになりました。
取引状況は、「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類で表示されます。
取引が全く進んでいないにもかかわらず、「書面による購入申込みあり」や「売主都合で一時紹介停止中」になっていたら、おかしいということです。
これまでは不動産業者しか閲覧できないのをいいことに、レインズに登録してもすぐに削除したり、取引状況を偽ったりする悪質な不動産業者も存在していました。
これは自社で買主を見つけて、売主と買主の双方から仲介手数料を受け取りたい、という売主の利益を無視した不動産業者の悪しき思考によるものです。
両手取引を狙った「囲い込み」の被害にあうリスクが軽減された
売主と買主の双方の仲介をすることを両手取引、売主のみまたは買主のみを担当することを片手取引といいます。
両手取引の場合、一軒の売買取引で2倍の仲介手数料を受け取れるため、当然ながら不動産業者にとっては両手取引のほうが利益が大きくなります。
両手取引がおこなわれる自体は珍しくありませんが、両手取引をしたいがために「囲い込み」をする悪質な不動産業者がいるという点に注意しなければなりません。
囲い込みとは、他社から問い合わせがあっても「取引が進んでいます」などと嘘をついたりして、他社に物件情報を公開しないことをいいます。
不動産会社の利益を優先され、囲い込みをされてしまうと、売主は売却チャンスを逃すことになります。
ただし閲覧できる対象物件の条件は、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約の売り物件であり、平成28年1月以降にレインズに登録・変更・再登録されたものに限られます。
レインズを個人が閲覧できるようになったメリット
今までレインズは不動産会社しか閲覧することができなかったため、「きちんと掲載しています」と言われればそれ以上、確認することはできませんでした。
しかし売主もレインズを閲覧できるようになったことで、マンションの登録内容や取引状況の確認がおこなえるようになりました。
ではマンションの取引状況や登録内容が確認できるようになったことで、売主にどのようなメリットがあるのかについて紹介していきます。
囲い込みのリスクを減らせる
前述でも説明しましたが、マンション売却には囲い込みという隠れたリスクがあります。
両手仲介を狙う仲介業者が不動産物件情報を独り占めし、たとえ他の仲介業者から問い合わせがあっても、売主の知らないところで断っている可能性があるのです。
しかし売主が取引状況を確認できるようになり、仲介業者は「取引が進んでいるため物件の紹介はできません」などの嘘がつきにくくなりました。
売主が取引状況を確認できるようになったことで、今まで水面下でおこなわれ、発見することが難しかった囲い込みが飛躍的に減ることが見込まれるということです。
買主を探しやすくなる
今までは登録内容について不動産業者に任せるしかありませんでしたが、これからは売主の意見を反映させやすくなるでしょう。
物件のアピールポイントなどをレインズに反映させることで買主が見つかりやすくなり、マンション売却の成功が近づきます。
気になることや意見があれば、遠慮なく不動産業者に伝えてください。
そこで面倒くさがって対応してくれない不動産業者であれば、その不動産業者に売却を任せるかどうか再検討したほうが良いかもしれません。
レインズの売却依頼主専用確認画面にログインする方法
平成28年1月以降に専任か専属専任で不動産仲介会社にマンションの媒介を依頼し、レインズに物件を登録すると「登録証明書」が発行されます。
その登録証明書に専用確認画面を開くためのURLや、物件ごとに付与されたID、パスワードが記載されていますので、不動産仲介会社から登録証明書を受け取り、インターネット上で売却物件の登録内容や取引状況を確認してください。
売却依頼主専用確認画面を開くための手順
売却依頼主専用確認画面を開くための手順について、簡単に説明します。
まず登録証明書に記載のURLにアクセスし、「売却依頼主向け」専用のログインボタンを探してください。
ログインをクリックすると以下の画面に進みますので、登録証明書に記載された確認用IDとパスワードを入力し、ログインします。
ログインすると売主専用の確認画面に進み、売却しているマンションの取引状況や価格、面積などの登録内容を確認することができます。
引用元: 売却依頼主物件確認案内書-不動産流通機構
管理人からの一言「レインズで取引状況を閲覧できても囲い込みのリスクが完全になくなったわけではない」
レインズに売却するマンションを登録することで、多くの買い手に物件情報が行き渡り、比較的スピーディに購入者を見つけることができます。
また売主もレインズの閲覧が可能になったことにより、囲い込みのリスクを減らすことができるようになりました。
ただし完全にリスクがなくなったわけではなく、一部の悪質な不動産業者は知識のない売主を狙って囲い込みを続けています。
そのような不動産業者に当たらないよう、売主自身も不動産取引に関する知識を身につけたうえで売却に挑むのはもちろん、不動産業者の選択を間違えないようにしましょう。
不動産業者の選択に失敗したくなければ、一括査定サイトから複数の不動産業者を比較し、吟味したうえでマンション売却に進むことをおすすめします。
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