離婚したらマンションは売るべき？｜住んでいたマンションの売却方法

離婚前にマンションなど自宅を購入していた場合、夫か妻どちらかがそのまま住み続けるのと売却してしまうのでは、どちらが良いのでしょうか。

結論から言うと、マンションは売却してしまったほうが良いです。

なぜなら、そのまま夫と妻どちらか一方が住み続けるという選択をしてしまうと、後にトラブルの種を残してしまうからです。

離婚したらマンションは売るべき！住み続けるリスク

冒頭でも述べましたが、離婚したらマンションは売却するべきだと断言します。

離婚後の対応で最も多いのは、マンションの住宅ローンの名義は夫のままで、妻と子供が住み続けるというケースです。

養育費や慰謝料代わり、あるいは財産分与として夫が住宅ローンを支払い続ける場合がほとんどなのですが、マンションの所有権は夫のまま妻や子供が暮らし続けることには常にリスクがつきまといます。

夫名義のマンションに妻と子供が住み続けるリスク

夫が病気になってしまって返済が困難になったり、返済途中で亡くなり、夫側の親族にマンションの所有権が移ってしまったり、夫に非がなくても起こりうる問題は数多くあります。

また後からマンションを売却したいと思っても、お互いに協力し合わなければ売却できませんので、売却しづらいのが現実です。

所有者本人である夫が様々な手続きに立ち会い、購入希望者による内覧会にはマンションに住んでいる妻が対応しなければなりません。

協力し合って売却できたとしても3,000万円の特別控除が利用できないという、金銭面のデメリットまで生じます。

離婚時は冷静に考えることができないかもしれませんが、マンションは売却し、お金に換えて精算するのが賢明でしょう。

離婚によるマンションの売却方法

離婚時のマンション売却で問題となるのが、マンションに残る住宅ローンです。

住宅ローンが残ってしまう場合と、完済している、あるいは完済できる場合とでは売却方法が異なってきますので、それぞれ確認しておきましょう。

住宅ローンを完済している・完済できる場合

住宅ローンが完済できていれば、そのまま通常の売却方法で売ることができます。

またマンションの資産価値よりもローン残債が少ないアンダーローンの場合や、ローン残債を預貯金で補って完済できる場合も、同様に問題なく売却できます。

マンション売却では早期売却を狙うと売却価格が安くなってしまう傾向にあり、じっくり時間をかけて売却した場合と比べると数百万の差が出ることも珍しくありません。

早く住宅問題を終わらせてすっきりしたい気持ちはわかりますが、新たな生活を考えれば高く売却できたほうが良いのではないでしょうか。

新しい生活を始めるには思った以上にお金がかかるため、「とにかく早く売却して終わりにしたい」と一時的な感情に惑わされず、マンションはできるだけ高く売って、新生活の資金を少しでも多く確保することをおすすめします。

マンション売却の流れや高く売るために必要な知識については、下記の記事で紹介していますので合わせてご覧ください。

住宅ローンが残ってしまう場合

離婚時のマンション売却で問題となってくるのは、マンションの資産価値よりもローン残債が上回るオーバーローンで、足りない分のお金を用意することも難しいときです。

しかし住宅ローンが残ってしまうからといって「離婚できない」と立ち止まっては、いつまでも問題を解決できません。

売却したくてもできないのだから打つ手がないと思われるかもしれませんが、「任意売却」なら状況を好転させることができます。

離婚時の任意売却について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

任意売却でマンションを売って離婚問題を解決させる

任意売却とはオーバーローンでもマンションを売却できる方法で、収入減によってローンが払えなくなったときや離婚時に多く利用されています。

マンションを売却したにもかかわらず債務だけが残るというのは確かに避けたい状況ですが、離婚すると分かっていてマンションを購入する人はいません。

すでにおこっている現在の状況は変わらないのですから、いかに好転させていくか考えたほうが賢明です。

債務が残ってしまったとしても、そこから新しい資産形成の方法を考えていくことで自らの未来を切り開いていけると思います。

離婚時に住宅ローン残債がある場合の対処法については、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

離婚時にマンションを売却できるか調べる方法

住宅ローンがオーバーローンなのか、アンダーローンなのか把握できていないという人は、まず住宅ローン残債とマンションの価格を知る必要があります。

住宅ローン残債は、金融機関からお金を借入れた際に渡された返済予定表を見るか、金融機関に直接問い合わせることで確認できます。

現在のマンションの資産価値については、不動産一括査定サイトを利用して調べる方法がベストです。

離婚時のマンション売却は不動産一括査定サイトを利用するのが良い理由

• 所有者以外の人でも見積もり依頼できる
• 家族に内緒で価格査定してもらえる
• 業者が訪問してくることもなく査定額がすぐ分かる
• 離婚時のマンション売却で必要な知識を教えてもらえる
• どうやって手続きを進めれば良いか相談できる
• 任意売却にも強い不動産屋が見つかる

離婚時のマンション売却の流れをまとめると、以下のようになります。

一言に不動産一括査定サイトといっても、いろんなサイトがあります。

管理人がおすすめする不動産一括査定サイトについて、下記の記事で紹介していますので合わせてご覧ください。

離婚後もマンションに住み続ける5つのデメリット

一見するとマンション売却に時間をかけるより、そのまま住み続けたほうが手っ取り早く問題を解決できるのではないかと思われるかもしれません。

しかしそのまま住み続けることは、問題が解決したように見えるだけで、実際は将来にリスクを残してしまう間違った選択です。

マンションは売却し、お金に換えて精算することで、離婚時の住宅問題を本当の意味で解決できたといえます。

競売にかけられて自宅を失う可能性がある

住宅ローンの名義人を夫にしたまま妻が住み続けることには、差押えや競売にかけられてしまうリスクがあります。

何らかの理由から夫が住宅ローンを滞納すれば、自宅不動産は競売にかけられ、妻は住んでいたマンションを突然失うことになります。

競売は最も避けたい事態

競売にかけられた物件には瑕疵担保責任がなく、内覧もおこなわないうえに短期間で売り払われるので、通常の売買よりも値段が安くなってしまいがちです。

売却価格が安くなってしまったとしても住宅ローンが完済できればまだ良いですが、まず難しいと思ったほうが良いでしょう。

競売にかけられて家を失ったうえに、債務が残ってしまうのですから絶望的です。

愛着のある家を売ってしまうのは気がひけるかもしれませんが、大切な家を競売という望まない形で失ってからでは取り返しがつきません。

競売という最悪の事態に陥るリスクを考えれば、離婚時に速やかに売却したほうが良いのは明らかです。

連帯保証人としてのリスクを背負い続ける

妻がマンションから出て行き、住宅ローンの名義人である夫が住み続けるのであれば、問題ないのでしょうか。

結論を言いますと、この場合でも大きな問題に発展する可能性があります。

住宅ローンを組んだ際、夫を単独名義人にして、妻をその連帯保証人にしているケースが多いのですが、この場合、離婚後であっても夫がローンの返済を滞納すれば妻に支払いの義務が生じます。

連帯保証人というのは金融機関との契約なので、夫と離婚したからといって妻の連帯保証人としての責任がなくなるわけではないのです。

離婚した際に連帯保証人から外してしまえばいいのでは、と思われるかもしれませんが、そんなに簡単に連帯保証人から外すことはできません。

代わりに連帯保証人になってくれる人がいれば話しは別ですが、連帯保証人を探すことは容易ではなく、マンションを売却しない限り妻にはずっとリスクがつきまといます。

契約違反で住宅ローンの一括返済を求められてしまう

住宅ローンを夫名義にしたまま妻だけが住む場合、金融機関との契約に違反することなり、一括返済を求められる可能性があります。

住む家の購入資金であることが住宅ローン借入れの前提条件となっているにもかかわらず、債務者である夫がその家に住んでいないのですから仕方ありません。

もしも一括返済できなければ、マンションは競売にかけられて安く買い叩かれてしまいます。

住宅ローンの名義変更は難しい

離婚後、旦那名義の家に住むことが問題なのであれば、名義を妻に変更すれば良いのでは、と思われるかもしれませんが、名義変更はそう簡単にはできません。

銀行からすれば、名義変更はリスクでしかないからです。

夫から妻に名義変更したければ、金融機関に妻の返済能力を認めてもらう必要があり、妻に夫と同等以上の安定した収入がなければなりません。

専業主婦やパートでは、審査に通るのはまず無理だと思って良いでしょう。

離婚後も縁が切れない

離婚して新たな人生を歩むわけですから、心機一転したいはずです。

しかし今まで住んでいたマンションに夫と妻のどちらかが住み続けることは、お互いの足かせになるのではないでしょうか。

夫からしても、自分が住んでいない家のローンを払っていくモチベーションを保つのは大変です。

自身の生活にもお金はかかるにもかかわらず、ローンの支払いも重なれば困窮してしまう可能性があります。

一般的にローンの返済は、20年から30年続くものです。その間、ずっとこのような状態でいることはお互いに良いとはいえません。

思い切って住んでいたマンションは売却して、お金で財産分与してしまうのが賢明でしょう。

財産分与について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

離婚後の関係を悪化させる

様々な理由から夫婦の関係がこじれ、離婚に至ったという人がほとんどだと思います。

そのような人たちは、もしもマンションにどちらか一方が住み続けたことによって後から住宅問題が発生してしまった場合、泥沼の争いになりかねません。

離婚後もお互い敵対し合うのは精神衛生上よくありませんので、マンションは売却し、関係を清算してから新たな人生を歩むことをおすすめします。

またお互いを尊重したうえでの円満な離婚だという場合、「うちは関係が良好だから大丈夫」と思われるかもしれませんが、後から「当初の約束と違う」とトラブルになることも珍しくありません。

円満に離婚した場合であっても、後からトラブルに発展するリスクを考えれば売却してしまうべきです。

マンションの売却理由を聞かれたら正直に離婚のことを伝えても大丈夫？

マンション売却時には必ずと言っていいほど、買主から売却理由を聞かれます。

そのときに離婚のことを正直に伝えるべきなのか、隠したほうが良いのか、迷う人も多いと思います。

結論から言いますと、正直に伝えるのがベターです。

売却理由は正直に伝えるのがベター

離婚というネガティブな売却理由は隠したほうが良いのでは、と思われるかもしれませんが、正直に伝えるのがベターでしょう。

集合住宅であるマンションでは、近隣のうわさ話で買主に伝わる可能性があるからです。

もしも違う売却理由を買主に伝えていた場合、信用を失いかねません。

「言いにくいことは隠す人」と思われてしまえば、本当は物件に瑕疵(欠陥)があるのでは、と他の部分で疑いの目を向けられてしまいます。

離婚というネガティブな売却理由でも正直に伝えることが、買主と信頼関係を築き、円滑に取引を進めるポイントです。

正直に言って売れづらくなることはない

マンションの売却理由が離婚だと、買主から敬遠されて売れづらくなってしまうのでは、と心配される人も多いと思います。

しかし売却物件には何の影響もないので、離婚というネガティブな理由だとしても売れづらくなることはありません。

確かに、買主の中には「何だか縁起が悪いな」と思う人もいるかもしれませんが、気にしない人が大多数です。

後ろめたさを感じる必要はありませんし、売却に悪影響を及ぼすこともないので、正直に伝えましょう。

もしも売主自身の口から言いづらければ、担当営業マンに代わりに伝えてもらうと良いと思います。

管理人から一言「離婚後に問題を残さないためにマンションは売却するのがベスト」

離婚は精神的な負担が大きくのしかかりますので、体力のいるマンション売却をためらってしまう人もいるかもしれません。

しかしマンションを売却することで、後々のトラブルの種を完全になくせます。

離婚時にマンションを売却するなら、不動産一括査定サイトを利用して質の高い仲介会社を見つけることから始めるのがベターです。

一括査定サイトなら、売主の希望に合った方法で売却してくれる不動産業者を見つけることができます。

マンション売却という大きな挑戦をするのですから、安心して任せられる不動産会社との出会いはとても重要です。

イエウールで一括査定したら310万も高くなった

管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。

イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。

物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。