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マンションに住んでいれば、近隣の生活音が聞こえるのは仕方がないことです。

しかし、許容できないほどの「騒音」は、精神的にかなり堪えますよね。

  • 上階の子供が走る音がうるさい
  • 下の階から聞こえてくる音楽が不快

このようなストレスを抱えている人は、少なくありません。

この記事では、騒音問題から解放され、平穏な生活を送るためにはどうすれば良いのか、解決策を紹介していきます。

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感情的になってしまうと問題はこじれてしまいますので、冷静に解決へと導くことが大切です。

マンションの騒音トラブルは厄介!苦情は最終手段にしよう

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マンションの騒音トラブルは、後を絶ちません。

壁や床だけで隔てられた一つの建物内で共同生活をしているのですから、騒音問題が発生するのも無理はないでしょう。

しかし問題の起きやすさに反して、解決が難しいのが厄介なところです。

一度トラブルに発展してしまえば、近隣関係はこじれ、修復は不可能になります。

実際、騒音トラブルによって殺人事件にまで発展したケースも少なくありません。

有名な事件でいうと、「ピアノ騒音殺人事件」があります。

苦情を言いたくなる気持ちもわかりますが、まずはトラブルに発展しないように、冷静に対処することが大切です。

では、どうすれば良いのか解説していきますので、参考にしてください。

騒音問題を一人で抱え込むのはNG!管理会社や管理組合に相談しよう

問題を一人で抱え込んでしまうと、解決できるものもできなくなります。

まずは管理会社や管理組合などに相談して、騒音を出すことをやめるよう働きかけてもらいましょう。

直接、手紙や訪問で本人に注意してもらってもいいですし、誰が苦情を言っているのか特定されそうであれば、掲示板などでマンション全体への警告として伝える方法もあります。

悪気なく騒音を出してしまっている場合であれば、それだけで十分気をつけてもらえます。

相談先は意外とたくさんある

管理会社や管理組合以外にも、以下の相談先があります。

上記の施設では、裁判外紛争解決手続(ADR)というものがあります。

【裁判外紛争解決手続とは】
第三者が介入して、紛争を解決する方法。

裁判をするお金や体力がない人も、泣き寝入りせずに解決までサポートしてもらえる。

相談先はたくさんありますので、一人で抱え込まずに、第三者を頼りましょう。

お金を払ってまで弁護士に相談する必要があるか考えよう

上述したように、騒音問題について相談する窓口は、意外とたくさんあります。

「弁護士や裁判(訴訟)で解決しましょう」と記載しているサイトや本も多いのですが、本当に高いお金を払ってまで弁護士に相談するべきなのか、一度立ち止まって考えましょう。

弁護士費用の相場 約50〜70万円

精神的苦痛を受けたぶん、慰謝料が欲しい気持ちもわかります。

しかし後述でも説明しますが、騒音問題での慰謝料は意外ともらえません。

まずは管理会社や公害等調整委員会などに相談して、円満解決を目指すことをおすすめします。

どこからの騒音か分かってる?発生源は正しく特定しよう

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管理会社などに相談するうえで、騒音の発生源を正確に把握することが大切です。

特定できないと関係のない人へ間違って指摘して、さらなるトラブルを増やしかねません。

以下の項目を参考に、状況を整理しましょう。

  • どの部屋にいるときに聞こえるか
  • どの方向から聞こえるか
  • クリアに聞こえるorこもって聞こえる
  • 音の大きさはどのくらいか

「隣の部屋だと思っていたら、さらにその隣が騒音の発生源だった」という事例も少なくありません。

できるだけ詳細に分析し、しっかりと音源を特定して対策をおこなってください。

また、いつ騒音が発生するのかを把握しておき、実際にその時間帯に管理会社などに来てもらうと状況が伝わりやすくなります。

自分でわからなければ音の専門家に測定してもらう

どこからの騒音なのか、特定できないケースも珍しくありません。

その場合は、以下のような専門家に相談して、測定してもらいましょう。

騒音の発生源が特定できないときの相談先

周波数を正確に測定してもらったら、意外にも騒音と呼べるレベルではなかった、ということもあり得ます。

状況を客観的に見るためにも、専門家への相談は大切です。

騒音をシャットアウト!マンションに住むなら防音対策も必要

マンションに住み続けるのであれば、管理会社などに対応してもらいつつ、室内からも防音対策をしましょう。

一度気になってしまうと、大したことのない生活音でもうるさく感じるようになってしまうため、自分自身でも工夫して騒音に対処していくことが大切です。

たとえば以下のような防音処理で、外部からの音を防ぎます。

  • マスキング効果を利用する
  • 音の侵入を防ぐ
  • リフォームをする

それぞれ詳しく解説していきますので、参考にしてください。

マスキング効果を利用する

マスキング効果とは、別の音に妨害されて、ある音が聞こえづらくなる聴覚現象のことです。

外部の生活音が気になる原因の一つに、室内が静かすぎるということが挙げられます。

静かすぎる環境にいるがゆえ、些細な生活音がうるさく感じるということです。

「確かに、いつも無音で過ごしている」という人は、音楽を流したり、テレビをつけたりして、音で音を隠すという手法も試してみてください。

自分が他の人の騒音の原因にならないように、BGMの音量には気をつける必要があります。

音の侵入を防ぐ

工夫次第で、音の侵入を防ぐことも可能です。

騒音対策として、以下のようなグッズもありますので活用してみてください。

  • 防音壁(遮音壁)
  • 防音カーテン
  • 防音パネル
  • 遮音シート
  • 防音型換気口

音を漏らさないために作られたグッズの中には、外部からの音を防ぐのにも役立つアイテムが多くあります。

少し費用はかかりますが、騒音の悩みから解放されると考えれば、高くはないと思います。

リフォームをする

数十万円の費用がかかってしまいますが、リフォームをして騒音を防ぐ方法もあります。

防音対策の意識したリフォームの具体例は、以下のとおりです。

  • 一重窓を二重窓にする
  • 遮音性能をもつ窓にする
  • 機密性の高いドアに換える

リフォームの予定がある場合には、ぜひ上記の対策を考えてみてください。

【判例を紹介】裁判で慰謝料を請求しても大した額はもらえない

管理会社に相談したり、防音対策をしたりしても解決せず、法的手段として裁判をおこなう人もいますが、報われないケースが多いためおすすめしません。

費用や時間をかけて裁判をおこなっても、もらえる慰謝料額は微々たるものだからです。

具体的に、過去の判例を紹介していきますので参考にしてください。

代表的な裁判例

【上階の子供が騒ぐ音がうるさい】

上階の子供が走り回ったり、飛び跳ねたりする音に精神的苦痛を受けたとして、240万円の損害賠償を求めた。

〈結果〉慰謝料額30万円が相当であると判決

【深夜に歌う声がうるさくて精神的に追い詰められた】

深夜に歌う声がうるさく、統合失調感情障害に。
服用していた薬の影響を懸念して、妊娠中絶手術をおこなった。

〈結果〉慰謝料額10万円が相当であると判決

裁判をしても、因果関係が認められなければ、慰謝料額は本当にわずかです。

決着には何年もかかってしまう可能性がある

一度、裁判になってしまえば、決着までに何年もかかる可能性があることを覚悟する必要があります。

2〜3ヶ月に一度ある口頭弁論という法的手続きや、弁護士との打ち合わせは避けて通れません。

多忙な弁護士が最初から最後まで、つきっきりで事件に対応してくれるわけではないので、スケジュールを合わせるために仕事を休まなければいけないケースも出てくるでしょう。

当事者間のこじれ方が複雑だったり、弁護士の能力が低かったりすれば、解決までの道のりはさらに遠くなります。

では、どうしても我慢できない場合どうすれば良いのでしょうか。

これが最も円満?騒音問題のあるマンションから引っ越す

第三者を頼ったり、防音対策でも解決できなかった場合は、引っ越すのが一番です。

そもそも裁判にまでなってしまえば、そのまま住み続けるのは難しくなります。

相手方との関係が修復することはありませんし、近所から噂を立てられて住みづらくなってしまうからです。

裁判を起こさずに引っ越せば、ふたたび同じ地域で静かに暮らすこともできます。

子供の学区を変えたくない、などの事情もあると思いますので、大ごとにせず引っ越すというのも騒音問題からトラブルなく解放される方法の一つです。

引っ越しに対して柔軟に考える必要がある

「なんで私が引っ越さなければならないのか」という気持ちになる人も多いと思います。

しかし本来、住まいは快適に過ごせる環境でなければならないはずです。

住みやすい環境が確保できないのであれば、より良い住まいを求めて引っ越すという柔軟な判断も必要になってきます。

もともとマンションの寿命を考慮すると、10年に1度、買い換えるのがベスト。

「絶対に住み続ける」と頑なになるよりも、「騒音問題のない、より快適な住まいにグレードアップする」と柔軟に考えると良いでしょう。

マンションの寿命がきてしまったときの悲惨さについては、下記の記事で紹介していますので合わせてご覧ください。

マンションの寿命がきたらどうなる?耐用年数と建て替えのタイミング

マンションの寿命がきたらどうなる?耐用年数と建て替えのタイミングについて解説しています。建替え費用を住民がいくら負担するのかや、法定耐用年数を過ぎて限界がきたらどうするのかについても紹介しています。

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物件の価値を把握しよう

マンションの価値が下がりきる前に住み替えれば、持ち出しなしでの引っ越しも可能です。

まずは今、マンションの価値がいくらなのか把握してください。

高く売ることができれば、防音性能が考慮されている新しいマンションに、すぐに住み替えられるかもしれません。

マンションの値段を効率的に知りたい人のために作られた、不動産一括査定サイトを利用すると、インターネット上で物件の基本情報を入力するだけで見積もりがわかるのでおすすめです。

不動産一括査定サイトの説明図

ただしやる気がなかったり、営業力のない不動産会社の場合、「騒音問題を解決してからでないと売れません」と断られてしまう可能性がありますので注意してください。

不動産一括査定サイトのイエウールなら、質の高い不動産会社が揃っているため、騒音問題に対応してもらえる優秀な営業マンに出会えます。

管理人からの一言「円満解決が難しければ引っ越すのがベター」

騒音問題には、かなり深刻なトラブルに発展するリスクが潜んでいます。

円満解決を目指すのであれば、以下のステップで進めるのがベターです。

  1. 管理会社・管理組合に相談する
  2. 自分で防音対策をしてみる
  3. 公害等調整委員会などの機関を頼ってみる
  4. それでもダメなら引っ越す

もともとマンションには寿命があり、一生涯住み続けることはできません。

築年数の新しいマンションに住み替えておけば、寿命問題に巻き込まれる心配もなくなります。

現在、住んでいるマンションが高く売れれば、持ち出しなしで住み替えれるのですから、まずは物件の価値を把握してみましょう。

マンションがいくらで売れるかは、上述したように不動産一括査定サイトで簡単にわかります。

イエウールで一括査定したら310万も高くなった

管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。

イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。

物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。