これからマンションを査定に出そうと思っている人に、必ず読んでほしい注意点をまとめました。
とりあえず査定額が知りたいだけの人も、実際に売却するかもしれないという人も、ぜひチェックしてください。
知っておかないと、のちのち何百万円もの損をする可能性があります。
初めてだったから仕方がないで済まされる金額ではありませよね。
- 掃除をしておかなかったことで評価を下げるのは勿体ない
- 複数社を比較して不動産会社に主導権を握らせないことが大切
- 高く売却している人の多くは不動産一括査定サイトを利用している
初心者がやりがちなNG行為についても紹介していきますので、参考にしてください。
マンションを査定に出すときは注意点に気をつけないと損をする!
冒頭ではかなり脅してしまいましたが、知らないと損をするというのは、逆の言い方をすれば知っておけば損をしないということです。
実行が難しいものはありませんので、ぜひ参考にしてください。
- 部屋を掃除してキレイにする
- 複数社に査定してもらう
- 相場価格を把握しておく
- リフォームをするなら不動産会社に相談してからにする
面倒臭そうと思われた人もいるかもしれませんが、これらを実行するかどうかで査定結果は大きく変わってきます。
大切な資産が安く見積もられて、いい気がする人はいませんよね。
少しの努力で100万円UPも可能なのですから、知っていて無視するのはもったいないと思います。
それぞれ詳しく解説していきますので、参考にしてください。
注意点1.掃除をしてキレイにしてから査定に出さないと価値が下がる
マンションを査定に出す前に、掃除をしてキレイにしておきましょう。
国土交通省の指導のもと作成された価格査定標準マニュアルに、「清掃の程度」というチェック項目があるからです。
次に住む人のことを考えれば、きちんと掃除されているキレイなマンションのほうが価格が高いのは当然ですよね。
室内の維持管理状況が良いと、評点は上がり評価額は高く査定されます。
引用元: 公益財団法人 不動産流通推進センター
維持管理状況が良いと評価されると最大10点プラスされ、悪いとマイナス10点されます。
つまり、掃除をしておかないと評価が下がってしまう可能性があるということです。
また他の項目と比べて、維持管理状況の配点は高くなっています。
例えば、耐震性があるマンションにおける評価は最大でも3点しかもらえません。
掃除をしてキレイにしておけば、耐震性のあるマンションよりも高い評価を得られることがわかりますね。
とはいえ、生活感を完全に消すレベルで求められているわけではないため、ハウスクリーニングまでする必要はありません。
物件を大切に使っているという第一印象を不動産会社に与えられれば、査定額を高くすることができます。
共有部分についても、汚れていると管理が行き届いていないということで、マイナス評価を受けてしまいますので注意してください。
掃除のポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
訪問査定前にマンションの掃除は必要?不動産会社はどこまで見る?
訪問査定前にマンションの掃除は必要?不動産会社はどこまで見る?この記事では、マンション査定の内容や所要時間、査定額を上げるポイントについても紹介しています。査定方法について知ることで、物件を過小評価されてしまうリスクを避けられます。
もしも部屋の掃除はできていないものの査定額がすぐに知りたい場合は、机上査定がおすすめです。
掃除が間に合わなくても机上査定なら問題ない
マンションの査定方法には机上査定と訪問査定の2種類あり、電話やメールのやりとりだけで見積もりを出してもらえる机上査定なら、部屋を見られずに査定価格を算出してもらえます。
机上査定(簡易査定) | 築年数や間取り、所在地などの基本情報をもとに見積もりを算出する方法 |
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訪問査定 | 不動産会社が室内までチェックして見積もりを算出する方法 |
机上査定なら書類を準備する必要もありませんし、早ければ数時間から1日で査定結果がわかります。
確かに、訪問査定の方がより正確な金額がわかるメリットはあります。
しかしそもそも、いきなり訪問査定をしてもらうのは物件に合った不動産会社を選ぶうえで効率的ではありません。
マンションの売却を失敗させたくないなら、複数の不動産会社の査定額を比較する必要があるからです。
訪問査定当日は家にいなくてはならないため、複数社に依頼すると対応が大変になってしまいますよね。
机上査定でも十分、根拠のある査定額を算出してもらうことができますので、掃除が完了している人も最初は机上査定がおすすめです。
では、複数の不動産会社の査定額を比較しなければならない理由について、詳しく解説していきます。
注意点2.不動産は複数社に査定してもらわないと数百万円の損をする
マンションの査定価格は不動産会社によって異なるため、1社の金額を鵜呑みにしてはいけません。
実際に、管理人が査定依頼した3社の結果には、なんと390万円もの差がありました。
390万円といえば大金ですが、不動産売却ではよくある話です。
管理人が査定依頼した3社の結果を紹介します。
A社 | B社 | C社 |
---|---|---|
2,200万円 | 2,370万円 | 1,980万円 |
面倒だと思われるかもしれませんが、これだけの差があるのですから、絶対に複数社に見積もり依頼するべきです。
不動産一括査定サイトを利用すれば手間なしカンタンに比較できる
不動産一括査定サイトを利用すれば、手間や時間を取られることなく、簡単に見積もりを集めることができます。
管理人も何度か利用していますが、本当に便利なので、知人などにもよく紹介しています。
インターネット上で物件情報を入力するだけで、複数の不動産会社に査定依頼できる便利ツールのこと
実際に利用した人にアンケート調査をおこないましたが、多くの人がその利便性にメリットを感じていることがわかりました。
利用者が感じた不動産一括査定サイトのメリット(アンケート調査結果)
査定の依頼が簡単にできる | 41% |
---|---|
優秀な不動産会社と出会える | 39% |
値段が知りたいだけでも利用できる | 28% |
その他 | 12% |
利便性の次に多かったのは、優秀な不動産会社と出会えるという意見です。
イエウールなどの人気サイトは、悪質な不動産会社を排除しており、優秀な不動産会社のみとの提携を徹底しています。
評判の良い不動産会社しか紹介されないから安心
評判の悪い不動産会社を顧客に紹介してしまうと、不動産一括査定サイトの信頼は落ち、利用者がいなくなってしまいます。
そのため良質なサイトは、優秀な会社のみと提携して評判の悪い会社は排除しています。
不動産会社の実績を一社一社、自分で調べるのは大変ですし、調べれば調べるほどどこがいいのか分からなくなってしまいます。
イエウールなどの大手不動産一括査定サイトを上手に活用し、マンションを任せられる不動産会社を見つけてください。
査定を依頼したからといって売却しなければならない制限はないので、値段を調べるだけでも気軽に利用できますよ。
※一括査定を依頼する前に、机上査定と訪問査定のどちらにするか選べます。
注意点3.自分でも相場を調べておかないと不動産会社に主導権を握られる
マンションを査定に出したときには、自分でも相場を把握しておくことが大切です。
相場を把握しておかないと、いざ査定結果が出ても正しい対応ができません。
例えば、査定結果が3,000万円だったとします。
相場が分からなければ、その金額をそのまま鵜呑みにしてしまうでしょう。
一方で相場を調べておけば、価格が妥当かどうか判断できますし、根拠を求める質問が自然と出てきますよね。
査定結果に対して何にも言わないと、自分で調べることをしない顧客と見られて、カモにされてしまいますので注意してください。
物件の良さをアピールしたり、売却にかける期間を調整することで、後から査定結果が変わるケースも珍しくありません。
自分の資産なのですから、不動産会社に任せっきりにするのではなく、あらかじめ相場は調べておくとよい不動産取引となるでしょう。
とはいえ、どうやって物件の相場価格を把握すればよいかわからない人も多いと思います。
AI(人工知能)によって価格を予想する自動シミュレーションなら、査定前にだいたいの価格を把握するのにぴったりです。
マンション査定の自動シミュレーションで売却価格を簡単に確認する方法
この記事では、マンション査定の自動シミュレーションで売却価格を簡単に確認する方法を紹介しています。マンション査定自動シミュレーションの使い方や、自動査定サービスをおこなっているサイトやアプリ、実際に自動査定してみた結果についても紹介しています。
注意点4.不動産会社に相談せずに慌ててリフォームをしない
見積もりを高くしたいからといって、査定前にリフォームをしてはいけません。
価格に影響しない箇所をリフォームして無駄にお金をかけてしまったり、キレイにすれば高く売れるポイントをスルーしてしまう可能性があるからです。
例えば、100万円かけて壁紙やフローリングを張り替えたとしても、期待どおりに査定額が上がるとは限りません。
それどころか、トイレを新しくした方がよっぽど物件全体の価値を底上げできたのに、というようなケースも出てくるでしょう。
実際に10万円のリフォームで、物件価値が120万円アップした事例もあります。
査定額についてはリフォーム後に改めて出してもらえるので、慌てて実施しないようにしてください。
では注意点の他に、マンションを査定するときにやってはいけない行為についても紹介していきます。
こんな行為はNG!初心者が陥りやすい不動産取引の落とし穴
ここからは、初心者がやりがちなNG行為について紹介していきます。
マンションを売却するのであれば、必ず知っておきたいポイントですので、ぜひ参考にしてください。
- 査定価格をそのまま売出価格に設定する
- 勧誘が嫌だからといってメールでやり取りをする
- 物件の瑕疵(欠陥)を隠してしまう
これらに気をつけないと売れ残ってしまったり、不動産会社選びで失敗して後悔したりする可能性があります。
後から、もっと高く売れたかもしれないと思うのは嫌ですよね。
アットホームがおこなったアンケート調査では、なんと3人に1人以上が売却後に不満が残っていることがわかっています。
自宅の売却価格には、満足していますか?
参照データ: アットホーム調べ
はい | 37.6% |
---|---|
いいえ | 39.0% |
どちらでもない | 23.4% |
査定時にやってはいけないNG行為について一つずつ解説していきますので、売却価格に不満が残らないように、しっかりとチェックしておきましょう。
査定価格をそのまま売出価格に設定する
査定価格をそのまま売出価格にする人も多いのですが、これはNG行為になります。
売却をお願いするのは不動産会社ですが、マンションを買ってくれるのは、そのマンションに実際に住む人だからです。
類似サービスである自動車査定との違いを表にまとめましたので、参考にしてください。
自動車査定とマンション査定の違い
査定する人 | 購入する人 | |
---|---|---|
自動車査定 | 車屋 | 車屋 |
マンション査定 | 不動産屋 | マンションに住む人 |
不動産会社はあくまでも仲介役であり、査定額はその金額で売れるであろうという予想でしかないということです。
とはいえプロが予想する金額なのですから、大幅にずれていることはありません。(良質な不動産会社を選んでいることが前提になります。)
売出価格は、査定額に5〜8%上乗せした金額に設定するのがベターです。
マンションの売り出し価格の決め方|成約価格との差をなくす方法を紹介
中古マンションの売り出し価格の決め方について解説しています。売出価格と成約価格の違いや、査定価格をどの程度参考にすれば良いのかについても紹介しています。誤った金額設定をするとマンション売却を失敗させかねませんので注意してください。
勧誘が嫌だからといってメールでやり取りをする
最近は、勧誘されるのが嫌だという理由から、メールでのやり取りのみで不動産会社を決める人も少なくありません。
しかし営業マンの口調や物件に対する情報量などを吟味するためには、メールではなく電話または直接、事務所にいって話しを聞くことが重要になってきます。
実際に話してみないと、以下のようなことが判断できないからです。
- 清潔感はあるか
- 誠実さが感じられるか
- しっかりと資格を持っているプロか
- 売主の話を最後まで聞いてくれるか
- 営業マンの価値観を押し付けてこないか
- 専門用語を使って説明してこないか
- 知識は豊富に持っているか
また不動産屋さんも人間ですので、相性が合うかどうかも大切です。
3〜6ヶ月かけてマンションを売ることになるのですが、担当営業マンとの相性が合わないと、その間ずっと我慢して売却活動をしなければなりません。
煩わしく思われるかもしれませんが、メールで終わらせてしまうことなく、電話または直接会って話しをしましょう。
物件の瑕疵(欠陥)を隠してしまう
伝えたら査定額が下がってしまうからと、物件の瑕疵(欠陥)を隠してしまう人がいるのですが、これは絶対にNGです。
しっかりと伝えておかないと、後でどんな問題に発展するか分かりません。
不動産会社は、マンション売却におけるトラブルから守ってくれる存在ですが、こちらが肝心なことを隠していては守ってもらうことができません。
一度トラブルに巻き込まれると、精神的にも金銭的にも相当な苦痛を強いられますので、多少査定額が下がってしまうとしても隠さずにすべて報告しましょう。
売主が勝手に自己判断するのではなく、客観的に以下に当てはまることがないかチェックすることが大切です。
物理的瑕疵 | 物件そのものの欠陥 |
---|---|
法律的瑕疵 | 管理組合の取り決めを含む、物件に決められている制限など |
環境的瑕疵 | 工場の騒音や振動など、嫌悪施設の情報 |
心理的瑕疵 | 自殺や殺人など、心理的に嫌悪される事情など |
うっかり伝えそびれた瑕疵についても、トラブルになってしまえば簡単には解決できません。
告知義務の範囲について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マンション売却時の告知義務はどこまで?【隣人トラブル・騒音問題】
マンション売却時の告知義務の範囲について説明しています。隣人トラブルや騒音問題、物件の瑕疵について正しく告知することでトラブルを未然に防ぐことができます。
ポストに入っていた広告につられてマンションを査定に出すのは危険
自宅ポストに「あなたの家を欲しがっている人がいます」というチラシが投函されていたのをきっかけに、マンションを査定に出そうとしている人もいるかもしれません。
そのような広告は、嘘である可能性が高いです。
不動産会社は、売買取引をおこなうことで収益を得ています。
しかしどれだけ買い手がいても、肝心の商品がなければ取引は成り立ちません。
そのため不動産会社は、常に売主を探しています。
ポストに入っていた広告は、あなただけではなく、他の人にも配っているということです。
管理人からの一言「査定時に気をつければマンション売却は成功する」
マンションの売却が成功するかどうかは、査定を依頼するときに決まるといっても過言ではありません。
賃貸借も含めてですが、不動産取引におけるトラブルは、年間1万件以上にのぼります。
安易にマンションを査定に出してしまえば、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
不動産一括査定サイトがフィルターになってくれているのですから、悪質な不動産会社に騙されないために活用しない手はないでしょう。
イエウールで一括査定したら310万も高くなった
管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。
イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。
物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。