マンションを買取で売ろうと思っているということは、急いで売却しなければいけない事情がある人だと思います。
もしも急ぐ必要がないにもかかわらず買取を検討しているのであれば、一度検討し直すべきでしょう。
買取にしてしまうと、どうしても売却価格が安くなってしまうからです。
- 買取相場は通常の売却のおおよそ7割程度になる
- 買取はとにかく早く売りたい人向けの売却方法
- 少しでも高く売りたいなら仲介の方がいい
マンションを売るときの主流である仲介と、買取は何が違うのかについても解説していきます。
それぞれのメリットを比較して、どちらを選択するべきか決めてください。
マンションの買取とは?仲介との違いは何?
不動産買取と仲介では、マンションを購入する人が異なります。
買取は不動産会社が直接、売買契約を交わす買主になります。
自動車の買取などと同じイメージを持っていただくと、わかりやすいと思います。
買取の仕組み
不動産会社との間で手続きを進められるため現金化は早いですが、売却価格は相場の7割程度になってしまいます
一方で仲介は、不動産会社はあくまでも買主とのパイプ役で、直接マンションを売却する相手ではありません。
仲介の仕組み
買主を探す必要があるため時間はかかりますが、相場より高く売れる可能性があります。
マンションの買取と売却の違いをまとめると、以下のようになります。
買主 | 売値 | 売却期間の目安 | |
---|---|---|---|
買取 | 不動産業者 | 相場の7割程度 | 2週間〜1ヶ月 |
売却 | 一般人 | 相場よりも高く売れる場合がある | 3ヶ月 |
売却価格と売却スピードについて、さらに詳しく解説していきますので参考にしてください。
基本的に買取は損をする!売却相場は市場価格の7割程度
マンションの買取相場は、仲介で売却したときの7割程度となっています。
市場価格3,500万円のマンションを売却するのであれば、買取金額は2,450万円になるということです。
なんと1,050万円も損をしてしまいます。
なぜ3割も安くなってしまうのかというと、買取の場合、不動産会社が物件をリフォームして転売します。
仕入れ値が安ければ安いほど不動産会社は得をするのですから、安く買い取りたいと思うのは当然です。
大切な資産が、不動産会社の利益のために安く買い取られてしまうのは不本意ではないでしょうか。
以下の記事を参考に、仲介で売却しましょう。
マンション売却の流れ|売る時の注意点や税金まで徹底解説!【3分で分かる動画つき】
マンションの売却の流れや気をつけるポイントなど簡単ステップで解説しています。初めてマンションを売るときに知っておきたい注意点や少しでも高く売るコツを、管理人の体験談も踏まえて分かりやすく解説します。
とにかく早く売りたい人にとっては、買取はかなり嬉しいサービスです。
最大のメリットはすぐに現金化できること
買取なら、2週間〜1ヶ月で現金化することができます。
離婚や相続、転勤など、急いで売却しなければならない事情がある人は買取を選択するのがベターです。
仲介の場合、いつ購入者が現れるか分からないため、どうしても売却スケジュールが立てづらいデメリットがあります。
なかには1年間売れない物件もあるくらいですから、時間に余裕がない人には向きません。
また高値売却にこだわらない人や忙しい人からすると、仲介で売ることに伴うリフォームや内覧会を負担に感じると思います。
労力がかかる売却活動を行いたくない場合も、買取が向いているでしょう。
とはいえ、買取にすると3割も安くなってしまうのは損失が大きすぎますよね。
買取価格は安くなってしまいますが、その代わりに売却にかかる費用は少なくなります。
売却にかかる費用は少ない!2万円〜5万円用意しておけばOK
不動産会社に買い取ってもらう場合、売却活動にかかる費用は安くなります。
例えばマンションを仲介で売却するなら、物件を魅力的に見せるためのリフォームやハウスクリーニングにお金がかかります。
買取であれば、それらの費用は一切かかりません。
経費は売買契約を交わすうえで最低限かかる、以下の費用だけです。
印紙代 | 1万円〜3万円 |
---|---|
抵当権抹消登記費用 | 1万円〜2万円 |
譲渡所得税 | 短期譲渡所得=売却価格-(取得費+経費)×15% |
長期譲渡所得=売却価格-(取得費+経費)×30% |
譲渡所得税がかかるのは、マンションを購入したときよりも高く売却できたケースのみになります。
物件価値が著しく上昇した場合を除き、課税されることはないということです。
基本的には、印紙代と抵当権抹消登記にかかる2万円〜5万円ほど用意しておけば良いと覚えておきましょう。
リフォーム代などを捻出するのが難しく、売れ残るリスクを回避するために買取を選択する人もいますよ。
仲介手数料もかからないので、手元にお金がない人も安心です。
買取業者に支払う仲介手数料はいらない
マンション買取では、買取業者に支払う仲介手数料がかかりません。
買主を探す必要がなく、仲介業務にかかる広告費や人件費がかからないからです。
仲介手数料として請求される「売買価格×3%+6万円+税」がなくなれば、かなり負担を減らせますよね。
具体的に言うと、3,000万円のマンションを売却する場合、1,036,800円もの仲介手数料を浮かせることができます。
また瑕疵担保責任を負わなくていい点も、買取のメリットです。
瑕疵担保責任を負わなくていいからトラブルの心配がない
瑕疵担保責任とは、物件に隠れた欠陥が見つかった時に売主が負う責任のことす。
個人買主を保護する目的で作られた制度のため、取引相手がプロの不動産会社である買取は対象になりません。
不動産売却では、瑕疵担保責任をめぐるトラブルが絶えず発生しています。
一度トラブルに巻き込まれてしまうと解決までの道のりは長く、精神的に相当な苦痛を強いられます。
損害賠償となれば金銭的にも負担が大きくなるため、後から隠れた瑕疵が見つかってトラブルになるのが嫌な人は買取でマンションを売るのがいいでしょう。
では、仲介よりも買取が向いているケースについてまとめますので、参考にしてください。
仲介より買取が向いている5つのケース
買取を選択した方がよいケースは、以下のとおりです。
- 時間的余裕がないとき
- 手間をかけずに売却したい
- 売れ残るリスクを負いたくない
- 築古物件で隠れた瑕疵が見つかる可能性がある
- 売却活動にかかる費用を捻出できない
住宅ローンが残っているなどの事情から、下回ってはいけない最低額のラインが決まっている場合は、期間より価格を優先すべきですので注意してください。
買取を選択すべきではないケースについても、紹介していきます。
買取より仲介が向いているケースと勘違いしやすいポイント
以下のケースであれば、買取ではなく仲介でマンションを売却するべきです。
- 少しでも高く売りたい
- 物件が古くて瑕疵がある
- 人に知られずに売りたい
高く売りたい場合はわかると思いますが、後の2つのケースについては意外に感じた人もいるのではないでしょうか。
それぞれ詳しく解説します。
瑕疵がある古い物件は買取で売ると損失が大きい
物件に重大な瑕疵があり、普通に売却するのが難しい場合には、買取を利用したほうが良いかもしれません。
しかし買取業者は事故物件が売れづらいのをよく知っているので、相場価格からかけ離れた値段を言ってくる可能性があります。
市場価格の半額以下になることも多く、買取額に期待はできません。
一方で仲介は売主が値段を下げない限り、安く買われてしまうことはないという特徴があります。
売れ残ってしまったとしても、高く売れる希望は残るということです。
仲介でも人に知られずに売ることは可能
近所の人や知人にバレたくないがために買取を選択する人もいますが、仲介でも周囲に知られずに売ることはできます。
看板を出したり、不動産ポータルサイトに広告を掲載してほしくない旨を不動産会社に伝えてください。
ただし広告や看板を出さなくても売却できる力のある、優秀な不動産会社でなければマンションが売れ残ってしまいます。
売却力のなさは買取価格にも影響しますので、仲介と買取のどちらを選ぶにしても、質の高い不動産会社を選ぶことを大切にしましょう。
優秀な不動産会社を見つけるためには、複数社を比較するプロセスが必須です。
高価買取のコツは複数の買取業者にマンションを査定してもらうこと
売却力があって、なおかつ誠実な不動産会社でなければ、マンションを高値買取してもらうことはできません。
高く売れる自信がなかったり、自社の利益だけを考える不動産会社を選んでしまったら、失敗するのは当然ですよね。
わざわざ複数の不動産会社に査定依頼することに対して、面倒臭いと思われた人もいると思います。
しかし複数社を比較するかどうかで、査定額に数百万円もの差が生じることも珍しくありません。
不動産一括査定サイトを利用すれば2社〜6社にまとめて査定依頼できて手間はかかりませんので、必ず相見積もりを取るようにしてください。
不動産一括査定サイトとは?
不動産一括査定サイトは、物件の基本情報を入力するだけで複数社からまとめて見積もりを送ってもらえる便利ツールです。
サイトを経由することで、不動産会社からのしつこい営業電話を回避できるメリットもあります。
特に利用者数No.1のイエウールなら、悪質な不動産会社を排除しており、優秀な会社のみを紹介してもらえるため安心です。
査定額が知りたいだけの人でも見積もりを出してもらえるので、売却する意思が固まっていなくても気軽に利用できますよ。
業者買取で売却する流れは簡単3ステップ
マンションを買い取ってもらう手順は、以下の3ステップです。
- 買取業者に査定してもらう
- 査定価格に納得したら売買契約を結ぶ
- 物件の引き渡しと同時に現金を受け取る
最近は3日ほどで引き渡しまで完了できるスピーディな不動産会社もあります。
買取を検討するのであれば、いつでも引き渡せるように片付けは早めにおこないましょう。
不動産会社が訪問査定にくる前に掃除をしておけば、査定額が上がる可能性があります。
訪問査定前に掃除をしてキレイにしておこう
不動産会社が査定時に見るポイントに、清掃の程度という項目があります。
そのため掃除が行き届いているキレイな物件は、査定額が高くなります。
どうせ片付けなければいけないのですから、訪問査定前に手をつけましょう。
また物件の印象を良くして、少しでも査定額を上げるためには、雨の日や夜間は避けてください。
買取専門業者でも主観で査定額が変わる!雨の日や夜は避けよう
営業マンも人間ですので、買取専門業者であっても少なからず査定額に主観が影響します。
部屋が暗くなってしまう雨の日や夜間は避け、天気の良い昼間に査定してもらってください。
カーテンや扉などをすべて開けておくと、開放的で広く見せられますよ。
買取ならすぐに現金化できるからといって先延ばしにすると、どんどん値段が下がっていきますので注意してください。
築年数が経過して値段が下がる前に売るのがベター
不動産の価値は、時間が経過するごとに下がっていきます。
すぐに現金化できるなら急いで動く必要がないと思っていると、買取価格が下がって損をするかもしれません。
特に築年数の区切りは、値段が変動するタイミングです。
築5年の物件として売りに出せるのか、築6年になるのかによって数十万円変わるケースもありますので、なるべく早く動きましょう。
築年数が古くなると、買い取ってもらえなくなる可能性もあります。
必ずしも買い取ってもらえるとは限らない点には注意
不動産会社は、転売できる確信が持てる物件でなければ買い取ってくれません。
そのため築古物件や事故物件など、売れ残るリスクの高い不動産は買取を断られる可能性があります。
買い取ってもらえたとしても、相場価格の半額以下の値段になるでしょう。
また全ての不動産会社が買取業務をやっているわけではないため、買い取ってくれる業者を探す手間がかかる点にも注意してください。
メールでのやり取りが可能なため、買取可能かどうか気軽に聞くことができるだけでなく、売却した場合との価格差を比較しやすいメリットもあります。
できるだけ高く売却したいなら買取保証を利用しよう
買取保証とは、一定期間内にマンションが売却できなかったときに、不動産会社が物件を買い取ることを約束するサービスです。
売却活動を始める前に、売れなかった場合の買取保証額を提示してもらえるので、スケジュールが立てやすいという利点があります。
買取保証を利用すれば、決まった期日までに売却できるという買取のメリットと、売却のメリットである高値売却の可能性を残すことができます。
買取保証サービスの流れ
買取保証について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
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買取保証をつけて不動産を売却するメリットとデメリットから、利用すると良いケースまで徹底解説しています。買取保証付き仲介の手続きの流れやサービスを実施している不動産会社も紹介!住み替えや相続、転勤などで売却期限がある人は、ぜひ参考にしてください。
管理人からの一言「買取はとにかく早く売りたい人だけが利用するべき」
マンションの買取は相場価格よりも売値が安くなるので、損をしてしまいます。
なによりも早く売却することを重要視するのであれば買取がベターですが、そうでなければ時間や手間がかかってしまったとしても不動産会社に仲介してもらって、高く購入してくれる買主を探したほうが賢明です。
最終的には自分の置かれている状況から、買取と売却どちらが適切か判断してください。
イエウールで一括査定したら310万も高くなった
管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。
イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。
物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。