海外赴任・転勤が決まると、いろいろな手続きに追われ、大変ですよね。
ビザや国際免許の取得、クレジットカードや保険、住民票の手続き、赴任先の住居の確保など、やるべきことは本当にたくさんあります。
中でも、持ち家をどうするかという問題には、答えが出ずに頭を抱えている人も多いのではないでしょうか。
- 赴任期間が1年以上なら売却するのがベター
- 赴任期間が1年未満の場合は賃貸にしておくと無駄がない
- 半年未満で海外赴任が終わるなら空き家にしておいても問題ない
海外赴任時に持ち家の問題に直面した人のリアルな声も紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
無事に持ち家であるマンションの問題を解決させ、気持ちよく赴任先へ向かいましょう。
海外赴任・転勤になったらマンションはどうするのが正解?売却or賃貸
海外勤務が決まったら、妻や子など家族を残して単身赴任する場合を除き、持ち家であるマンションは売却するべきです。
マンションを賃貸にだせば家賃収入を得ることができるメリットはありますが、それ以上のリスクが常につきまとうからです。
賃貸にするリスク
- 賃借人がご近所トラブルを起こす
- 家具や家電に不良が起こる
- 賃料が滞納される
- 災害によって物件が損傷する
これらのトラブルが起こった場合、家主が対応しなければなりません。
仕事や航空券の都合上、すぐに日本に帰って来られるとは限らないですよね。
慣れない海外生活や新しい仕事内容に加えて、日本でもトラブルが発生してしまえば、精神的に追い込まれてしまうのではないでしょうか。
転勤先が海外であれば、きれいさっぱり売却してトラブル発生のリスクを排除しておくのがベターです。
ただし赴任期間が短ければ、売却せずに賃貸にしたり、空き家にしておいても問題ないケースもあります。
赴任期間によってマンションの行く末を決めよう
海外赴任が決まったときに持ち家であるマンションをどうするかは、赴任期間によって決めるのが合理的です。
赴任期間ごとの対処法を表にまとめましたので、参考にしてください。
赴任期間 | 対処法 |
---|---|
1年以上 | 売却する |
半年〜1年 | 賃貸に出す |
半年未満 | 空き家のままにする |
手間やリスクを考慮すると、この表のように対処するのがベストです。
とはいえ売却するにしても賃貸にするにしても、まずはマンションの価値を知っておく必要があります。
売却価格と賃料を調べる方法を紹介していきますので、参考にしてください。
空き家のままにしておく人は、住宅が劣化しないための対処法について紹介している以下の記事も合わせてご覧ください。
海外赴任・転勤時の留守宅管理はどうする?空き家所有にかかる費用は?
海外赴任・転勤時の留守宅管理はどうする?空き家所有にかかる費用は?この記事では海外出向中、マンションを空き家にする注意点についても紹介しています。安易な考えで自宅を所有し続けると、帰国後に問題が発生するリスクが高いので注意が必要です。
一体いくらで売れる?マンションの価値を簡単に調べる方法は?
マンションを売却するといっても、いくらで売れるのかチェックしないと話は進まないですよね。
自宅マンションの価値は、不動産一括査定サイトで簡単に調べることができます。
不動産一括査定サイトとは
物件の基本情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社にまとめて査定依頼できるサービス。
効率的に複数社の見積もりを比較でき、マンションを最も高く売ってくれる不動産会社を見つけることができます。
賃料を知りたい人は、売却価格の見積もりを出してもらってから、賃貸にした場合のシミュレーションを依頼してください。
先に売却価格を知っておくことで、賃貸にしたときの利益について正確に判断できるようになります。
不動産会社から勧誘されるのではないか不安な人もいるかもしれませんが、利用者からのクレームに厳しく対処しているイエウールなら、しつこい営業電話を避けられます。
以下のアンケート調査結果からも、見積もりのためだけに利用する人が多いことがわかりますね。
イエウールを利用した理由(アンケート結果)
査定依頼したからといって、売却しなければいけない制限はありません。
持ち家の対処について迷っている人も、まずは査定だけでもしておきましょう。
赴任期間3年でマンションを売却した人の体験談
ビザの期限の関係もあり、海外転勤の任期が3年という人も多いと思います。
赴任期間が3年だと、マンションを本当に売却していいのか判断に困ると思いますが、3年間マンションを所有し続けるのはなかなか大変です。
売却してしまったほうが赴任先で気を煩わせることがなく、後から金銭的な問題が生じる心配もありません。
3年間、海外赴任した人の経験談を紹介しますので、参考にしてください。
30代・男性の経験談
賃貸に出すのは大変なので、転勤中マンションは空き家にしておくことにしました。時々、母が換気や掃除にいってくれていましたが、1年経過したあたりから申し訳なくなり、空き家管理の業者を利用しました。固定資産税や住宅ローン、管理費に加えて管理業者への依頼料も増え、金銭的負担がとても大きかったです。任期も2年伸びてしまい、結局5年もの間マンションを空き家にしておくことになってしまいました。日本に帰ってきたときに大々的なリフォームをして今も住んでいますが、出費がかなり痛かったため、海外赴任前に売却して日本に帰って来たときにまた新しい家を探せば良かったな、と後悔しています。
転勤時に厄介なのが、任期が延長される可能性がある点です。
当初の予定から1〜2年延長されることも、珍しい話しではありません。
短期間で戻る予定の転勤なら延長されるケースは少ないですが、3年など長期で行く場合は状況が変わることが多いので注意してください。
賃貸や空き家の期間が4年以上になると、トラブルが発生するリスクが高くなります。
赴任期間4年以上は賃貸・空き家にするリスクが非常に高い
赴任期間が4年以上の場合、持ち家であるマンションを賃貸あるいは空き家にしておくリスクがかなり高くなります。
実際に赴任期間4年で、マンションを賃貸に出した人の体験談を紹介します。
40代・男性の経験談
マンションを手放したくなかったため、マンションを賃貸に出すことにしました。家を手放さなくてよく、住宅ローンを賃料で補えるというメリットもあり、最善の方法だと思いました。しかしマンションを賃貸に出すことは、想像以上に大変でした。なかなか借り手が現れませんでしたし、現れたと喜んでいたら家賃滞納です。さらに、契約期限が過ぎているにもかかわらず立ち退いてくれなかったりと、散々でした。家の状態も赴任前に比べてかなり劣化しており、気持ち悪かったので結局、引越しました。
賃貸や空き家にすると、どうしても価値は下がってしまいます。
高く売れるときに売却して現金化してしまったほうが、後々よい結果になるのではないでしょうか。
では売却と賃貸、空き家にした場合のそれぞれのメリットとデメリットについて解説していきますので、マンションの行く末を決める判断材料にしてください。
持ち家を売却するメリットとデメリット
海外赴任前に持ち家であるマンションを売却することには、その後のトラブルや管理面の不安をなくせるメリットがあります。
海外出向先で、日本に残した持ち家に対して煩わしさを感じる心配がなく、仕事に集中できるということです。
売却には勇気がいると思いますが、賃貸に出すことにはどうしてもリスクがつきまとうため、面倒が嫌だという人は思い切って海外出向前に売却してしまったほうが良いでしょう。
売却するメリット
- 海外赴任先で煩わしさを感じない
- 家の管理が不要になる
- まとまったお金が手に入る
- 賃貸のようにトラブルになったり支出に悩まされたりする心配がない
売却するデメリット
- 海外赴任前に売却手続きをする必要がある
- 自宅を手放すことになる
転勤時のマンションの売却方法について詳しく知りたい人は、以下の記事も合わせてご覧ください。
転勤でマンションを売却するときの流れと損をしないための注意点
この記事では転勤でマンションを売却するときの流れと損をしないための注意点を紹介しています。家を購入後転勤になると売るのを躊躇するかもしれませんが、そのままにしたり賃貸にすることにはリスクがあります。
持ち家を賃貸にするメリットとデメリット
マンションを賃貸にすることの最大のメリットは、家を手放す必要がなく、さらには家賃収入を得られるという点です。
空き家にしておくのとは違い、人が住むことによって通水・換気がおこなわれ家が痛みづらくなるというメリットもあり、まさに一石二鳥といえます。
しかし借主の家賃滞納や、原状回復の範囲をめぐるトラブルも少なくありません。
昨今は借主(消費者)保護に動きつつあり、原状回復費用の請求が難しくなっているため、ある程度の劣化は覚悟しておく必要があります。
賃貸にするメリット
- 自宅を手放さなくていい
- 成功すれば継続的な家賃収入が入る
賃貸にするデメリット
- 賃借人に自宅を汚される
- 赴任期間に変更があると困る
- トラブルが発生しても対応できない
- 家賃滞納のリスクがある
赴任期間が半年〜1年で、賃貸にすることを積極的に検討している人は、以下の記事も合わせてご覧ください。
マンションを貸すコツ!費用・税金・注意点を分かりやすく解説します
この記事では、マンションを貸すコツや管理会社の決め方について紹介しています。ローン残債がある場合の手続きの進め方や賃貸に出すときの注意点について知っておくことでリスク管理ができ、マンション賃貸を成功させることができます。
自宅を空き家にしておくメリットとデメリット
自宅を空き家のままにしておくことには特別な手続きの必要がない、赴任中のトラブルが少ないなどのメリットがあります。
しかし、空き家にしてしまうと家は急速に痛んでいきます。
特に湿気は住宅にとって大敵で、密閉状態にしておくと木材部分が腐ってしまいますので、「風を通すこと」が管理上の必須事項です。
また給・排水管を使わないでいると内部に錆が発生したり、冬には破裂したりする危険もありますので、最低でも月に1度は通風、通水をおこなうことが不可欠です。
水道はそのまま使えるようにしておき、親族や留守宅管理の専門業者に家の管理をお願いしましょう。
電気についても、定期的に動かさないといけない設備があれば、契約したままにしておきます。
料金がもったいないと思われるかもしれませんが、管理をしなかったために設備が壊れて修理が必要になれば、費用は水道代や電気代以上にかかります。
空き家にするメリット
- 手続きの手間がない
- 赴任中のトラブルが少ない
空き家にするデメリット
- 家が急速に傷んでしまう
- 留守宅管理を頼むと費用がかかる
- 電気代や管理費、固定資産税など支払いは続く
上述でも言いましたが、管理人は海外赴任前に売却することが最も賢明だと考えています。
マンションを売るときに疑問に思うであろうポイントについてQ&A式で解説していきますので、参考にしてください。
海外赴任・転勤で自宅マンションを売るときの気がかりを解決
海外赴任でマンションを売るときに気がかりとなるであろう事項について、回答していきます。
売却活動に取りかかる前に、心配事や不明点をなくしておきましょう。
そもそもどうやって自宅を売却するのか知りたい人は、「マンション売却の流れ|売る時の注意点や税金まで徹底解説」の記事も合わせてご覧ください。
では、以下の2つの疑問について詳しく解説していきます。
- 赴任日までに売れなかったらどうなるの?
- 赴任中に売りたくなっても売却できるの?
赴任日までに売れなかったらどうなるの?
赴任日までにマンションが売却できたら良いのですが、なかなか買い手が見つからず、赴任の日を迎えてしまうことも考えられます。
結論から言いますと、売主が海外にいってもそのまま売却活動を続けてくれる不動産屋がほとんどです。
ただし媒介契約を結ぶ前に海外赴任の予定があることを話し、対応に不安がないかどうか見極める必要があります。
交渉がまとまり売買契約に進むと契約のために代理人を立てる等、少し複雑な手続きが生じますので、不動産会社に赴任後の手続きについて確認しておくとスムーズです。
赴任中に売りたくなっても売却できるの?
海外赴任中でも、日本にある物件を売却することは可能です。
手続きとしては、売主の代わりに売買契約から物件の引き渡しまでをおこなう代理人を親族などから選出し、委任状を赴任地の最寄の大使館や領事館に出向いて発行します。
海外からの依頼だからといって、購入希望者への広告活動や条件の交渉で売主が不利になることはありませんので、安心してください。
ただし手続きが面倒になることは、覚悟しておいたほうが良いと思います。
マンションを貸すときの疑問点を解決
次に、マンションを賃貸にする場合に気がかりに思うであろうことについて解説していきます。
賃貸はリスクが大きいため、確認しておく事項も多くなります。
特に契約に関することは素人には難しいため不動産会社に任せっきりになりがちですが、貸主も知っておかないと思わぬトラブルに発展する可能性がありますので注意してください。
ここでは以下の5つの項目について解説していきます。
- 賃貸にして借主に居座られてしまわない?
- 知人や親戚なら口約束で貸しても問題ない?
- 家を貸したときの税金はどうなるの?確定申告は必要?
- 固定資産税はどうやって納めたらいいの?
- 賃貸は業者を通したほうがいいの?最近、流行りのリロケーションサービスって?
賃貸にして借主に居座られてしまわない?
ひと昔前は「家を一度人に貸すと出ていってもらえなくなる」という言葉をよく耳にしましたが、近年は法的な整備が進み、期間限定で貸し出すことができるようになりました。
これを定期借家制度といいます。
定期借家制度は、平成12年3月1日から施行された、契約期間の満了により更新されることなく、確定的に賃貸借契約が終了する制度です。
定期借家契約を交わすためには、要件を満たした契約書を締結する必要がありますので、きちんと確認しておきましょう。
知人や親戚なら口約束で貸しても問題ない?
マンションを知人や親戚に貸す場合、手間のかかる手続きや不動産業者に支払う手数料がいりません。
相手も気心が知れているということで、その安心感は大きなメリットではないでしょうか。
しかしその一方で、マンションに損傷があったとしても、指摘しにくいという問題があります。
トラブルになった時のことを考えると、知人や親戚に貸す場合でも、きちんと賃貸借契約書を取り交わしたほうが良いでしょう。
家を貸したときの税金はどうなるの?確定申告は必要?
マンションを貸して家賃収入を得る場合には、確定申告が必要になります。
国税庁のホームページにも、以下のように記載されていますので参考にしてください。
海外勤務等により非居住者となる人は、海外に出発する日までに既に一定の所得があるときや、海外に出発した後国内にある不動産の貸付けによる所得や国内にある資産の譲渡による所得などの、日本国内で生じた所得があるときは、日本で確定申告が必要になる場合があります。
納税管理人を立てて、代わりに確定申告してもらいましょう。
海外赴任でマンションを賃貸に出した時の確定申告の方法といくら税金がかかるかについては、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
海外赴任で自宅を賃貸にしたときの税金はいくら?確定申告のやり方は?
海外赴任で自宅を賃貸にしたときの税金はいくら?確定申告のやり方は?この記事では、海外転勤中に持ち家を貸すときにかかる不動産所得税について解説しています。固定資産税の支払い方法や、家賃収入の源泉徴収を還付する方法についても知っておきましょう。
固定資産税はどうやって納めたらいいの?
固定資産税を納付する方法は、2通りあります。
- 納税管理人に代わりに納めてもらう
- 銀行の自動振替サービスを利用する
口座振替の手続きは、自宅の所在地を管轄する市町村町または都(市)税事務所でおこなえます。
インターネット上で口座振替依頼書をダウンロードし、郵送で提出しても手続きは可能ですので、納税管理人の手間を減らすために事前に申請することをおすすめします。
ただし納付書などの書類は納税管理人に送付されることになっているため、口座振替の手続きだけでは不十分です。
自治体によっては納税管理人を選任しておかないと納税できない場合もありますので、口座振替と合わせて納税管理人の申告も忘れずにおこないましょう。
業者を通したほうがいいの?最近、流行りのリロケーションサービスって?
海外転勤でマンションを賃貸に出すのであれば、リロケーション業者に留守宅管理を依頼することをおすすめします。
賃借人がご近所トラブルを起こしたときや設備が壊れたときなど、何か問題が起こった場合にすぐに対処してもらうことができるからです。
海外赴任中だとマンションの持ち主本人が対応するのは困難ですので、このようなリロケーションサービスを利用する人が増えています。
借主が滞納した家賃の立て替えサービスをおこなっている業者もあり、賃貸リスクを最小限に抑えて海外赴任へ向かいたい人には非常に有効です。
リロケーションサービスについて詳しく知りたい人は、以下の記事も合わせてご覧ください。
リロケーションとは?サービスのメリットと業者選びで失敗しないコツ
この記事では転勤等でマンションが空き家になってしまうときにリロケーションサービスを使って賃貸にするメリットや意味を説明しています。リロケーション業者選びに失敗しないことが賃貸を成功させるためのコツです。
管理人からの一言「海外転勤になったら赴任期間によって売るか貸すか決断するのがベター」
結論としては、海外転勤でマンションをどうするかは、赴任期間によって決めるのがベターです。
赴任期間が1年を超える場合は、きれいさっぱり売却することが合理的な解決方法になります。
ただし、どうしてもマンションを手放したくない場合や、自宅を貸すことに抵抗がある場合には、赴任期間にこだわらず自分に合った方法を選択してください。
いずれにしても、大切なマンションをどうするかは慎重に決める必要がありますので、家族でしっかりと話し合ったうえで方向性を決めましょう。
あらかじめ売却金額や賃料を調べておくと、話し合いがスムーズに進みますよ。
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