「消費税増税前に、家を購入したい」という人も多いのではないでしょうか。
低金利の今、マンションの住み替えをおこなうのには絶好のチャンスです。
金額の大きい住宅ローンの場合、金利が変われば数十万、数百万円もの差が生じるのですから、今すぐ動き始めるべきなのは明白です。
とはいえ、「何から始めたらいいのか分からない」という人も多いと思います。
この記事では、「住み替えの正しい手順」から「費用はいくらかかるか」について解説していきます。
マンションの住み替えは無理のない資金計画から始めるのが正しい流れ
マンションの住み替えを検討したら、まずは無理のない資金計画を立てることが大切になります。
住宅ローン返済中に資金計画が崩れて払えなくなってしまったとしても、銀行による救済措置はほとんど期待できず、差し押さえという現実が待っているからです。
実際に、住宅ローンが返済できなくなり、自宅を失ってしまうケースも珍しくありません。
新居に夢を膨らませると思いますが、何十年という長期にわたる住宅ローンを滞りなく支払っていくためには、現状をしっかりと把握しましょう。
住み替えを検討してから購入する物件の価格を決めるまでの手順は、以下のとおりです。
- 住宅ローン残債を確認する
- マンションの相場価格を知る
- 購入する物件の価格を決める
それぞれ詳しく解説していきます。
1.住宅ローン残債を確認する
家の住み替えを検討したら、まずは住宅ローン残債がいくらあるのか確認しましょう。
住宅ローンが完済できなければ、マンションにつけられている抵当権が外れないため、売却して住み替えることはできません。
住宅ローン残債はローンを組んだ金融機関で調べてもらうか、ローンを借り入れたときに渡されている返済予定表で確認してください。
「住宅ローン残債をすべて返済するなんて無理」と思われた人もいるかもしれませんが、返済はマンションを売却して得た代金も合わせておこないます。
つまり…
ということです。
マンションがいくらで売れるか把握して、抵当権を外してもらえるかどうか確認しましょう。
2.マンションの相場価格を知る
マンションがいくらで売れるか把握するには、不動産会社に問い合わせるのがベストです。
不動産ポータルサイトなどで近隣マンションの相場価格を調べる方法もありますが、調べられるのはあくまでも売り出し価格になります。
実際に売買された価格とはズレがあり、鵜呑みにしすぎると売却価格を見誤る原因になりますので注意してください。
「不動産会社に問い合わせるのはちょっとハードルが高い」という人は、不動産一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
不動産一括査定サイトならネットで簡単に見積もりを出してもらえる
いきなり不動産会社にいって査定依頼することに対して、気が進まない人も多いと思います。
そんなときに便利なのが、不動産一括査定サイトです。
不動産一括査定サイトは、ネット上で物件の間取りや築年数などの必要事項を入力するだけで、複数の仲介会社に見積もり依頼できる便利ツールになります。
管理人自身、何回も利用していますが、本当に簡単なので初心者には特におすすめです。
中でも、イエウールはしつこい勧誘がなく、価格を知りたいだけでも利用できる人気の不動産一括査定サイトになります。
3.購入する物件の価格を決める
- 住宅ローン残債
- マンションの売却価格
- 住み替えにかかる費用
後述でも詳しく解説しますが、住み替えにかかる費用の考え方は以下のとおりになります。
これらを把握したうえで、ローンを完済できることがわかったら、そのまま売却に進めます。
マンション売却のスケジュール
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 購入希望者を探す
- 買主と売買契約を締結する
- 決済日までに新しい家に引っ越す
- 物件の引渡し
売却スケジュールについて詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マンション売却の流れ|売る時の注意点や税金まで徹底解説!【3分で分かる動画つき】
マンション売却の流れや注意点、税金について初心者にもわかりやすく解説しています。大切な資産を売るのですから、基礎知識はもちろん、損をしない売却方法についても知っておくべきです。失敗したくない!できるだけ高く売りたい!という人はぜひ参考にしてください。
ローンが完済できない場合はどうする?
マンションを売却してもローンが残り、手元にもローン返済にあてる資金がない場合、抵当権を外してもらうことができません。
しかし、だからといって住み替え自体を諦めるのは勿体ありません。
一度、買い替えローンなどの方法を検討してみましょう。
買い替えローンなら残債があっても売却できる
「買い替えローン」を利用すれば、ローン残債があっても抵当権を外してもらえるので、住み替えが可能になります。
新しい物件の住宅ローンに加えて、売却した物件のローン残債も借りることができるローン
買い替えローンは金融機関から借りる額が新たに購入する物件の価値よりも高くなるため、通常のローンよりも審査が厳しい点には注意が必要です。
買い替えローン(住み替えローン)について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
2軒目の住宅ローンはダブルローン(二重借り入れ)より住み替えローン
この記事では二つ目の住宅ローンをダブルローンできるのかについて紹介しています。銀行で二重借り入れしたときに住宅ローン控除は受けられるのかなど、きちんとした知識を身につけたうえで住み替えることをおすすめします。
売却先行と購入先行どっちが良い?リスクの少ない買い替え手順
マンションを住み替える方法には、マンションを売ってから新しい家を探す「売却先行」と、新しい家を購入してからマンションを売却する「購入先行」の2通りあります。
売却先行と購入先行それぞれのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
売却先行 |
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|
購入先行 |
|
|
どちらが良いのか迷われる人も多いのですが、マンションの住み替えでは売却先行がおすすめです。
上述したとおり、住み替えでは資金計画が最も重要だからです。
購入先行は、予定していた売却価格で売れなかったり、なかなか買い手が現れず売れ残ってしまったりするリスクがあり、当初の資金計画が崩れてしまいかねません。
それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきますので、どちらが自分に合っているか判断してください。
先に今住んでいるマンションを売る「売却先行」のメリット
先に今住んでいるマンションを売る「売却先行」のメリットは、資金計画が立てやすいということと、高額売却が狙いやすいということです。
資金計画が立てやすい
売却先行でマンションを住み替える場合、売却価格が確定してから新居を探し始めるので資金計画が立てやすいというメリットがあります。
マンションを売却する前に新しい家を購入した人の中には、思ったよりも高く売れなかったなどの理由から最初に立てた資金計画が破綻してしまったケースが見受けられます。
高額売却を狙いやすい
先にマンションを売ってから購入物件を探す場合、売却に時間をかけることができるので高額売却を狙いやすくなります。
マンションを高く売ることと早く売ることは通常トレードオフの関係にあるため、高く売りたければ早く売ることを諦めて、早く売りたければ高く売ることを諦めなければなりません。
売却先行でマンションを売る場合は、購入先行に比べて時間的余裕があるケースがほとんどですので、「時間をかけて高く売る」ことが可能になります。
ただし売却先行の場合、マンションに住みながら売却活動をおこなう必要があります。
居住中のマンションを売却するときの注意点などについて紹介している、下記の記事も合わせてご覧ください。
居住中のマンション売却における注意点と高値売却する3つのコツ
居住中のマンション売却における注意点と高値売却する3つのコツを解説!この記事では、自宅に住みながら売却活動をするときに知っておきたい重要ポイントや、売却前に空き家にしたほうが良いのかについても紹介していますので、参考にしてください。
先に今住んでいるマンションを売る「売却先行」のデメリット
先に今住んでいるマンションを売る「売却先行」のデメリットは、新居をじっくり探せないという点です。
新居も妥協したくないという場合、一時的にアパートに済むなどの対処が必要になりますので費用がかさむ恐れがあります。
じっくりと新居を探せない
マンションの売却を先におこなった場合、買主に物件を引き渡すまでに引っ越さなければならないため、新しい家を探す時間的余裕がありません。
今よりも快適に暮らすのが目的で買い替えるにもかかわらず、時間に追われてしまい満足のいく家を探すことができなかったら本末転倒です。
あらかじめ不動産会社に住み替える旨を伝えておき、スムーズに住み替えがおこなえるよう手配してもらいましょう。
先に新しい家を買う購入先行のメリット
先に新しい家を買う購入先行のメリットは、理想の住まいに出会えるという点と、引越しがスムーズにできるという点です。
理想の住まいに出会える
マンションの売却よりも先に新しい家を購入する購入先行であれば、新居をじっくり探すことができるので理想の住まいに出会うことができます。
自分の理想の物件に出会えるまで妥協したくない人は、売却先行ではなく購入先行で進めていくと良いでしょう。
引越しがスムーズにできる
購入先行で住み替える場合のメリットは、マンションを売却する前に新しい家が確定しているので引越しがスムーズにおこなえるという点です。
特に子育て世帯は、2回も転居をおこなうのは負担が大きいと思います。
アパートに仮住まいをするのは費用や手間がかかるうえに非効率的という側面がありますので、売却後に確実に住める家を確保できるというのは購入先行の強みです。
先に新しい家を買う購入先行のデメリット
マンションの住み替えを購入先行でおこなうデメリットは、売却価格が安くなりやすいということと、購入したい物件の売主に嫌がられるということです。
購入したい物件の売主に嫌がられる
購入先行でマンションを購入する場合、「マンションが期間内に売却できなかったら売買契約はなかったことなる」という停止条件を付けることがほとんどなのですが、売主は停止条件を付けることを好みません。
もしも停止条件によって購入してもらえなくなったら、また一から買主を探さないといけないのですから、確実に買ってくれる人と売買契約を結びたいと思うのは当然といえます。
売却価格が安くなりやすい
購入先行でマンションの住み替えを進める場合、なかなか売却が決まらなかったときに焦ってしまい、安く売却することになってしまう可能性があります。
売却期間に限りのある購入先行では、買主に足元を見られて値引き交渉されてしまうのです。
成功を遠ざける!?マンションの住み替えでよくある失敗例
マンションの住み替えでは、失敗してしまう人も珍しくありません。
よくある失敗例を紹介しますので、参考にしていただき、同じような失敗をしないように気をつけて下さい。
ダブルローン(二重借り入れ)をして失敗
ダブルローンとは、現在のマンションの住宅ローンが残っている状態で、新しい家の住宅ローンを借り入れることです。
「マンションが売却できるまでなら、なんとかなるだろう」と安易にダブルローンをおこない、資金繰りできなくなるケースが多く見受けられます。
マンション売却がスムーズに進めば良いですが、計画通りに進められないケースも少なくありません。
理想の物件が見つかったからといって、購入資金の見通しが立たないうちに購入を決めてしまうのは賢明ではないでしょう。
しっかりと業者選びをおこなわず失敗
住み替えを成功させるためには、しっかりと業者選びをおこなうことが大切です。
良質な不動産会社に出会えるかどうかが、住み替えの成功を左右するといっても過言ではありません。
面倒くさいからといって不動産業者を比較しない人がいますが、誠実で営業スキルのある不動産会社を見極めるためには、複数社比べることが大切です。
上述したとおり、不動産一括査定サイトを利用すれば、簡単に複数の不動産会社にまとめて査定依頼できます。
不動産一括査定サイトについて詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
不動産一括査定サイト大手12社を徹底比較!おすすめサイトから選び方まで解説
不動産一括査定サイトを利用すれば、物件がいくらで売却できるか効率的に調べられるだけでなく、質の良い不動産会社にも出会えます。できるだけ好条件で売るためには、サイト選びが重要。不動産のプロである管理人が、おすすめのサイトと選び方のポイントを解説していきます。
住み替え先の物件選びに失敗
せっかく住み替えたにもかかわらず、新居が満足のいく物件ではなかったら、住み替えた意味がありません。
ステップアップとして、マンションから一戸建てに住み替える人も多いのですが、「マンションのほうが自分には合っていた」という声も多く耳にします。
住んでみなければ分からないこともあると思いますが、できるだけ理想と現実のギャップはなくしておき、失敗するリスクを最小限に抑えましょう。
住み替えてから後悔しないために、マンションと一戸建てどちらが良いのかについて解説している下記の記事も合わせてご覧ください。
マンションVS一戸建てを徹底比較してみた結果|どっちが買いか?
マンションVS一戸建てを徹底比較!維持費や固定資産税、資産価値、売りやすさなど、あらゆる視点で比べてみました。マンションに向いている人、一戸建てに向いている人についても紹介していますので、どっちを購入するか迷っている人はぜひ参考にしてください。
老後の住まいについて悩んでいる人は、下記の記事をご覧ください。
老後の住まいはどうする?マンションに住み続ける?売却するべき?
老後の住まいについて考えた時、マンションに住み続けていいのか不安になると思います。自宅は売却してシニアマンションなどに住み替えるべきか、住まいの間取りはどんなものが良いのか、資金はどうするのかなど、定年後の住み替えについて紹介しています。
マンションの住み替えで必要になる費用はいくら?
マンションの住み替えで必要になる費用は、以下のとおりです。
- 不動産会社に支払う仲介手数料
- 登記費用などの税金関係
- 新居の住宅ローンの借入れにかかる費用
- 新居への引越し費用
- 家具・家電・インテリアなどの購入資金
思ったよりも費用がかかり、せっかく住み替えたのに生活が成り立たないという事態を避けるため、費用についてあらかじめ把握しておき、きちんと資金繰り計画を立てたうえで買い替えを進めていきましょう。
不動産会社に支払う仲介手数料
マンションの住み替えでは、売却時と購入時それぞれ仲介手数料を支払わなければなりません。
売却時にかかる仲介手数料は「マンションの売却価格×3%+6万円+消費税」、購入時にかかる仲介手数料は「購入する物件価格×3%+6万円+消費税」です。
媒介契約を結ぶ前に交渉してみると良いでしょう。
登記費用などの税金関係は必須
マンションを住み替える場合にかかる税金は、以下のとおりです。
税額 | 課税時期 | |
---|---|---|
収入印紙代 | 1万5千円〜9万円 | 売買契約時やローンを組むとき |
所有権移転登記 | 固定資産税評価額×2% | 購入時、所有権を移すとき |
抵当権抹消登記 | 不動産の数×1,000円 | 売却物件の抵当権を外すとき |
抵当権設定登記 | ローン借入額×0.4% | 住宅ローンを借り入れるとき |
不動産取得税 | 固定資産税評価額×4% | 不動産を取得したとき |
固定資産税 | 固定資産税評価額×1.4% | 物件購入時、決済日に売主と精算 |
都市計画税 | 固定資産税評価額×最高0.3% | 物件購入時、決済日に売主と精算 |
譲渡取得税 | 収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額 | 売却で利益が出たとき |
上記の他にも、登記で必要となる書類を発行する際に発行手数料がかかります。
また登記手続きには専門的な知識が必要になりますので、司法書士に代行してもらうのが一般的です。
司法書士に登記手続きを依頼すると報酬費としてだいたい10万円前後かかりますので、登録免許税などの税金とは別にあらかじめ準備しておきましょう。
新居の住宅ローン諸費用
新しい住宅を購入する際に銀行からローンを借入れする場合、住宅ローンの頭金や事務手数料、ローン保証料が必要になります。
いくら用意するべきかは金融機関や借入条件などによって異なりますので、下記に記載した金額はあくまでも目安となります。
ローンの頭金 | 物件価格の1〜2割 |
---|---|
事務手数料 | 3〜5万円程度 |
ローン保証料 | 返済期間30年菅の場合ローン借入額100万円当たり2万円程度 |
頭金が多く用意できれば金融機関に借りられる金額も増えるので、そのぶん新居の選択の幅が広がります。
引越し費用を確保しておく
荷物の運搬などを引越し業者に依頼する場合、引越し業者に支払うお金も準備しておきます。
金額については時期や荷物の多い少ないで異りますので、あらかじめ業者に問い合わせるなど調べておくと直前で焦らなくて済むでしょう。
家具・家電・インテリアなどの購入資金も計算に入れておく
住まいを移すにあたり、家具・家電を一新したいと考える人も多いのではないでしょうか。
いちど経験をしていてわかると思いますが、家具や家電を新しく揃えるのには結構な費用がかかります。
せっかく住み替えるのですから、家具や家電で妥協することにならないよう、きちんと計算に入れておくことをおすすめします。
またハウスクリーニングを利用する場合、その費用についても把握しておきましょう。
住み替えにかかる諸費用は、項目ごとに金額が分かるようにリスト化しておくことを推奨します。
管理人からの一言「住み替えを検討したらまずは不動産一括査定で相場を知ることから始めよう」
マンションの住み替えを検討したら、まずは住宅ローン残債と売却するマンションの相場価格を知ることから始めましょう。
その後のことは、しっかりと把握しきれていなくても、不動産会社がリードして手続きを進めてくれます。
不動産一括査定サイトを利用すれば、簡単に優良な不動産会社を見つけることができますし、査定依頼したからといって必ずしも売却しなければならないという制限はありませんので、気軽に利用してみてください。
イエウールで一括査定したら310万も高くなった
管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。
イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。
物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。