マンションを売り出しているのになかなか購入者が現れない、という人も多いのではないでしょうか。
日本人は新築が好きだからしょうがない、中古だから購入してもらえない、と思われているかもしれませんが、最近は中古住宅の需要が非常に伸びています。
中古だから売却できないのではなく、他に問題がある可能性が高いということです。
とはいえ、売れない理由がわかっていれば苦労はしません。
この記事では、「売れないマンションの特徴」から「売るためにできる対策」について解説していきます。
自宅マンションが売れない本当の原因を探り、売却できるように改善しましょう。
売れないマンションの特徴 〜売れ残ってしまう理由を探ろう〜
中古マンションが売れ残る原因を探るためには、まず買い手のニーズを把握する必要があります。
新築ではなく、中古を選ぶ人は、物件に何を求めているのかを考えるのです。
そうすると価格が安く、その中でも品質の高いものを買いたいというニーズが見えてきます。
そして新築マンションよりどうしても品質が劣る中古マンションは、買い手のチェックも念入りになるということもわかってきます。
マンションが売れないのは、この買い手のチェックにクリアできていないということ。
買い手が避ける物件の特徴を挙げていきますので、買う立場になって自宅マンションをチェックしてみてください。
マンションが売れ残る原因は、大きく以下の4つに分けられます。
- 物件自体に問題があって売れないケース
- 住環境の悪さから敬遠されているケース
- 費用問題によって売れないケース
- 不動産屋選びに失敗しているケース
それぞれ詳しく解説していきますので、購入者が現れない本当の原因を探ってみましょう。
物件自体に問題があって売れないケース
当然ながら、買主は質の良い物件を探します。
住んでから不具合が見つかる可能性が高い物件を、わざわざ買う人はいません。
そのため築年数が古かったり、耐震性に欠陥があったりすると売れづらくなります。
築年数が古すぎる
築年数が古いからといって必ずしも質が悪いわけではありませんが、どうしても古い=品質が悪いというイメージに結びつきやすくなります。
そのため築年数があまりにも古い場合、あとから不具合が出てくるのではないかと懸念する買い手もいます。
とはいえ築年数が古くて売れない場合、価格のつけ方が間違っていることが売れない原因となっているケースがほとんどです。
築年数が古かったとしても、価格を安くすれば売れないマンションはありません。
築年数別の需要と値下がり率、リフォームの必要性についてまとめましたので参考にしてください。
需要 | 値下がり率 | リフォームの必要性 | |
---|---|---|---|
築10年 |
|
30% | 不要 |
築15年 |
|
40% | 必要 |
築20年 |
|
55% | 不要 |
築30年 |
|
60% | 必要 |
築50年 |
|
70% | 不要 |
築15年のマンションはリフォームが必要であるにもかかわらず、築20年のマンションは不要という点に、疑問を抱いた人もいるかもしれません。
リフォームは物件の印象を良くするためというだけでなく、買主の安く買いたいというニーズも考えておこなう必要があります。
築20年のマンションは、物件の劣化よりも値段重視の顧客に向けた売却戦略になるため、リフォームは不要です。
既存不適格物件になってしまっている
建築当時は適法だったものの、建築基準法の改正や都市計画の変更などによって法令に適合しなくなってしまった不動産のことを既存不適格物件と言います。
既存不適格物件は制限が多く、建て替えが困難であったり、購入者が住宅ローンに通りづらくなるなど売買しづらいのが特徴です。
告知義務によって売りに出すときに既存不適格物件であることは公表しなければならず、イメージが悪くなって敬遠されやすくもなります。
既存不適格マンションについて詳しく知りたい人は、以下の記事も合わせてご覧ください。
既存不適格マンションは売れない?資産価値と好条件で売却する方法
既存不適格マンションでも売れる?資産価値と好条件で売却する方法についても紹介しています。既存不適格物件は建ぺい率の問題から建て替えができないなどのデメリットがあり、売却方法を工夫しないと売れ残ってしまう可能性が高いため、注意が必要です。
耐震性に不安がある
日本はとても地震が多い国であり、過去にも大きな地震が何度も起きています。
そのため地震に対して不安を感じている人が多く、住む家に対しても十分な耐震性があることを求めます。
十分な耐震性を有しているかは、1981年に制定された新耐震基準を充たしているかどうかで判断することができ、充たしていないと買い手にとってリスクとなります。
なぜなら新耐震基準が制定される前に建てられたマンションの耐震性は、人命を守るには不十分であると提唱されているからです。
地震がきたら倒壊する危険性のある物件に、住みたいと思う人はいないですよね。
間取りが悪い
広い狭いはあると思いますが、ほとんどのマンションは2LDKか3LDKの間取りです。
マンションを購入する世帯で最も多いのは夫婦と子2人という家族構成のため、2LDKよりも3LDKのほうが需要があります。
2LDKのマンションは、部屋数が足りないという理由から敬遠されている可能性があるということです。
逆に4LDKのマンションは広さはあるのですが、価格が高くなってしまうため、2LDKと同様に買い手はつきにくくなります。
間取りが違えば購入層も変わってくるため、間取りに合わせて販売方法を変えましょう。
間取り別のターゲット層や販売方法については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
2LDKと3LDKのマンションはどっちが売却しやすい?その理由と対処法
2LDKと3LDKのマンションはどっちが売却しやすい?この記事では、売りやすい間取りや広さ、2LDKと3LDKの違いとそれぞれの需要、2LDKから3LDKにリフォームするのは効果的なのかについて解説しています。間取り別のターゲット設定が的確でないと、売れ残ってしまうかもしれません。
4LDKのマンションは売れない?売却相場と売るときのポイント
4LDKのマンションは売れない?売却相場と売るときのポイント、3LDKと4LDKどっちが売りやすい間取りかについて解説しています。4LDKの物件は少ないため、部屋割りを紹介したり、収納スペースをアピールしたりすれば必ず売却できます。売れ残らないために確認しておきましょう。
住環境の悪さから敬遠されているケース
マンションの住環境が悪ければ、買主は敬遠してしまいます。
例えば、毎日の通勤に時間がかかったり、駐車場の使い勝手が悪かったりすると大きなストレスになります。
快適で安心して暮らせる物件であることは、買主にとって必須条件になります。
公共交通機関から遠く通勤が不便
最寄り駅までの距離が近いほうが良いというのは、いうまでもありません。
買主が通勤や通学に電車を利用している場合、駅までの距離はとても重要なポイントになるからです。
また売却することになったときのことを考え、資産価値が高いほうが良いと考える人もいるでしょう。
治安面に不安がある
買い手は、マンションの周辺に住宅や店舗がなく人通りが少なかったり、照明がなくて暗かったりすると治安面に不安を感じてしまいます。
買主が安心して暮らせる物件を求めるのは、当然のことです。
特に女性や子供がいる世帯にとって治安面は非常に気になる点であり、安全対策が十分にとれるかどうか念入りに検討します。
そのためマンションの中で最も治安面が心配される1階の物件は、売れづらい傾向にあります。
売却物件が1階という人は、できるだけ高く売る方法について紹介している下記の記事も合わせてご覧ください。
1階のマンションは売れないって本当?高値売却する方法はある?
1階のマンションは売れない?高値売却する方法は?集合住宅の1階は、日当たりが悪く湿気が高い、虫が入ってくる、防犯面に心配がある、などのデメリットがあります。的確なターゲット設定をしないと、売却価格が安くなってしまいますので注意してください。
駐車場が足りない
自動車を所有する買い手にとって、駐車場の数が不足していて止める場所が確保できないことはかなりマイナスポイントになります。
周辺に駐車場があればまだ良いのですが、周辺にもない場合、物件自体は気に入っていたとしても購入をやめられてしまう要因になりかねません。
また駐車台数を増やすために一台あたりの駐車スペースが狭くなっている場合、買い手が所有する自動車の大きさによっては駐車しづらかったり、入庫できないケースもあります。
その場合、買主はマンションの購入を諦めてしまうでしょう。
近くにスーパーやコンビニがなく利便性が悪い
長く暮らしていくにあたり、コンビニやスーパーが近くにあり、生活必需品の調達がスムーズにおこなえるかどうかも購入を検討する際にチェックされます。
また病院が周辺にない場合も、買主は万が一のときに不安だと感じてしまいます。
日常生活を送るために必要な施設が周辺にない場合、利便性が悪く敬遠されがちです。
費用問題によって売れないケース
国土交通省の調べによると、新築ではなく中古を選ぶ買主の7割以上が、予算的に手頃だったからという理由で購入を決めています。
住宅の選択理由
中古戸建住宅、中古マンション取得世帯、民間賃貸住宅入居世帯では、「価格/家賃が適切だったから」が最も多くなっており、それぞれ 73.8%、74.3%、56.6%となっている。引用元: 国土交通省
買主は中古マンションをお得に買いたい、と思っているということです。
値段が高いマンションは、よっぽど他の物件と差別化できる強みがなければ売却するのが困難になります。
値段が高く買主にスルーされている
買い手は中古マンションに、品質が良いことに加えて価格が安いことを求めます。
そもそも新築ではなくて中古で探しているということは、資金面にある程度の制限があることがほとんどで、予算内に収まらないマンションは見向きもされません。
管理費が他の物件よりも高い
管理費とはマンションの共有部分の維持に使われる費用のことで、建物の規模や地域によって金額は異なりますが、住民全員で出し合うのが基本です。
建物を良い状態で保つために必要不可欠なお金のため安ければ良いというわけではありませんが、いくつか物件を比較している買い手からすると、他のマンションよりも管理費が高いと購入をためらう要因になります。
例えば、共有施設が充実しているタワーマンションは管理費が高いケースが多く、それが売れない原因になっていることも考えられます。
特に低層階の場合、タワーマンションの最大のメリットである眺望の良さがないにもかかわらず、値段だけが高くなってしまうため、買主から敬遠される傾向にあります。
下記の記事で、タワーマンションの売却方法について解説していますので、合わせてご覧ください。
タワーマンション売却のポイントと注意点|低層階でも高く売る3つのコツ
この記事では、タワーマンション売却のポイントと注意点、低層階でも高く売るコツについて解説しています。今が売り時である理由についても紹介していますので、参考にしてください。タワーマンションは売る方法に気をつけないと、売れない可能性が高いので注意が必要です。
不動産屋選びに失敗しているケース
上記のことに思い当たる節がないのであれば、考えられるのは売却を依頼している不動産会社に問題があるケースです。
そもそもマンションに売れない原因があったとしても、営業力のある不動産会社であれば売却することができます。
どんな物件であっても、売却できないのは不動産会社の力不足による要素が大きいということです。
営業力がなかったり、売主の気持ちを考えない不動産会社に売却依頼してしまうと、当然ながらマンション売却は失敗します。
営業力のない営業マンがいること自体が問題ですが、そこは売主が見極めるしかありません。
不動産会社選びに失敗してしまう人の特徴は、以下のとおりです。
複数の会社を比較していない
良い不動産仲介会社と出会うためには、複数社を比較することが大切です。
比較するプロセスを省いてしまえば、良否の判断ができず、業者選びで失敗するリスクが高くなります。
質の悪い不動産会社であることに気付けないまま売却活動を進めてしまえば、何百万円も損をしてしまいます。
複数社の比較をおこなっていなかったという人は、今からでも遅くありませんので、他社に見積もり依頼してみてください。
もしかすると現在、売却依頼している会社の欠点が見えてくるかもしれません。
不動産一括査定サイトとは、ネット上で一度、物件情報を入力するだけでまとめて何社かに査定依頼できるサービスで、効率的に不動産会社を比較するのに役立ちます。
不動産一括査定サイトについては下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
不動産一括査定サイト大手12社を徹底比較!おすすめサイトから選び方まで解説
不動産一括査定サイトを利用すれば、物件がいくらで売却できるか効率的に調べられるだけでなく、質の良い不動産会社にも出会えます。できるだけ好条件で売るためには、サイト選びが重要。不動産のプロである管理人が、おすすめのサイトと選び方のポイントを解説していきます。
一般媒介契約を結んでいる
マンションの売却を不動産会社に依頼する際に、媒介契約を結んだと思いますが、その際に一般媒介契約を選択していませんか?
一般媒介で何社かと結べば、複数社が一斉に買い手を探してくれるので、すぐに売却できるように思うかもしれません。
しかし一般媒介は不動産会社にとってやる気の起きづらい契約形態になっており、まじめに営業活動がおこなわれない可能性があります。
不動産業界は成功報酬のため、買い手を見つけてきた不動産会社以外は仲介手数料を受け取ることができずタダ働きです。
そのため一般媒介で依頼してしまうと、マンションの販売活動が保守的にしかおこなわれないケースがあるのです。
不動産会社が販売活動にかかった費用の回収ができないことを恐れるのは当然であり、手数料を受け取れる可能性の高い専任媒介や、専属専任媒介で依頼を受けている他の物件の営業活動に優先的に取り組もうとするのは仕方がないことなのかもしれません。
媒介契約について詳しく知りたい場合は、下記の記事を参考にしてください。
おすすめの媒介契約は?一般媒介と専任媒介の違いや有効期間について
不動産会社と結ぶ媒介契約書とは?媒介契約の種類は3つあり、それぞれ有効期間や契約内容に違いがあります。一般媒介と専任媒介契約のどちらがいいのかについても分かりやすく紹介しています。
売買を不得意とする不動産会社を選んでいる
不動産会社には、それぞれ得意とする分野があります。
上述でも紹介した不動産一括査定サイトなら、物件にあった不動産会社のみを紹介してくれる仕組みになっているため、マンション売却が不得意な会社を選んでしまう心配がありません。
不動産一括査定サイトを利用するとしつこい営業電話がかかってくるイメージを持っている人もいるかもしれませんが、クレームに厳しいイエウールなら無理な勧誘がないので安心です。
以下のグラフからわかるように、価格を知りたいだけで利用する人も多いので、気軽に使ってみてください。
イエウールを利用した理由アンケート結果
マンションが売れない時はどうする?【対策方法】
あなたのマンションが売れない原因は何なのか、探ることはできましたか?
理由が分かれば、次は売却するために対策を講じる必要があります。
ここからは、購入者が現れない時の対策方法について紹介していきます。
- 値下げする
- ある程度の値引き交渉に応じる
- 目立つ汚れや傷、破損箇所を修復する
- 売却を依頼する不動産仲介会社を変える
値下げして売り出す
買い手が中古マンションに求めるのは、品質の良さ、かつ値段の安さです。
どれだけ品質が良くても、値段が高ければ購入しません。
交通の便が悪いなどの不利な条件がある場合でも、値段が安ければ検討してもらえる可能性がありますので、思い切って値下げしましょう。
値下げをする前に下記の記事をご覧いただくことで、効果的な値下げができます。
マンション売却で値下げするタイミングと時期【適切な値下げ設定のコツ】
この記事ではマンション売却で値段を下げるタイミングや時期について紹介しています。中古マンションの値下げは1割が基本。その他の失敗しがちな値下げ設定のミスなどを紹介します。
値引き交渉に応じる
購入希望者から値引き交渉されたら、気が進まないかもしれませんが、ある程度応じることをおすすめします。
売主ができるだけ高く売りたいと思っている一方で、買主はできるだけ安く購入したいと考えているため、お互いに譲渡しなければ円滑な取引はできません。
ただし買主の希望ばかり通してしまうと、売主が不利益を被る可能性がありますので注意しましょう。
値引き交渉への対応のコツについて詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マンション売却で購入申込書を受け取ってからの流れは?値引き交渉への対応のコツ
この記事では、マンション売却で購入申込書が入ってからの流れについて紹介しています。買付証明書が入ったらキャンセルを避けるために手付金の額などの確認は怠ってはいけません。効力や有効期限、値引き交渉への対応のコツについて知っておくことで、中古マンションの売却がスムーズに進みます。
目立つ汚れや傷、破損箇所を修復する
売主が住んでいた面影があまりにも感じられる物件は、買い手の購入意欲を下げてしまいます。
マンションに目立つ傷や汚れ、破損個所がある場合には、修復することで買い手がつくかもしれません。
売主の趣味に走らず、誰もが使いやすく、メンテナンスがしやすい状態を目指してください。
また多少、印象が変わる可能性はあっても、細かい傷については修復しなくてもよいでしょう。
悪意を持って隠さなければ、告知したり、その傷によって値段を下げたりする必要もありません。
ただしペットを飼っていた場合で、ペットによる汚れや破損箇所があるときは、しっかりと買主に伝えるべきです。
犬や猫などのペットを飼っていた場合に注意することについては、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
ペット(犬や猫)を飼っている人がマンション売却で注意すること
この記事では、犬や猫などのペットを飼っているマンションを売却するときの注意ポイントについて紹介しています。ペットの臭いや汚れ、毛を取り除くなどの対策についても解説しているので、参考にしていただければ物件価格を下げることなく売却できます。
売却を依頼する不動産仲介会社を変える
売主にとって不動産会社の見極めは難しいかもしれませんが、依頼してから3ヶ月経っても売れない場合、他の会社に依頼したほうがいいです。
以下の点に気をつけて、売却を依頼する不動産会社を選びなおしてください。
- 親身になって話を聞いてくれるか
- 知識はちゃんとあるか
- 価格を下げて売り急ごうとしないか
- 売買取引が不得意でないか(今までの成約事例を教えてもらう)
- 一般媒介ではなく専任媒介を結ぶこと
- 複数社を比較すること
マンションが売却できるかどうかは不動産会社の腕にかかっていますので、業者選びは慎重におこなうことが大切です。
売れないからといって所有権を放棄することはできない
面倒臭いから、もう全て放棄してしまいたいと思われる人もいるかもしれませんが、売れないからといってマンションの所有権を放棄することはできません。
売却できるように、工夫していくしかないということです。
しかし売却活動中も固定資産税や管理費、光熱費などは支払わなければならないため、大変ですよね。
固定資産税や管理費は支払い続けなければいけない
転勤や住み替えによってすでに新居で暮らしている場合や、相続した不動産であった場合には、固定資産税や管理費を支払うことに抵抗を感じたり、費用負担の大きさに苦しむかもしれません。
しかし固定資産税を滞納してしまうと、物件が差し押さえられてしまい、最終的には公売にかけられてしまいます。
公売にかけられたマンショは市場の半額以下の価格になったり、売却できるまでに2〜3年かかってしまったりします。
管理費や修繕積立金についても、滞納してしまうと買主から訳あり物件と思われて敬遠されかねません。
無駄な出費に感じるかもしれませんが、固定資産税や管理費はマンションが売れるまで支払いつつ、できるだけ早く売却できるように上記で紹介した対策を試してみてください。
ダブルローンはリスクが大きい
売却できる前に、ダブルローンをして新居を購入する人がいますが、リスクが大きいのでおすすめしません。
いつ売却できるかわからないにもかかわらず、ダブルローンするのは計画性がなさすぎます。
マンションが売れなければ、ダブルローンの期間は伸びていき、家計を圧迫してしまいます。
確実に売却してから購入するか、住み替えローンの利用を検討しましょう。
2軒目の住宅ローンはダブルローン(二重借り入れ)より住み替えローン
この記事では二つ目の住宅ローンをダブルローンできるのかについて紹介しています。銀行で二重借り入れしたときに住宅ローン控除は受けられるのかなど、きちんとした知識を身につけたうえで住み替えることをおすすめします。
業者買取も検討してみよう
様々な事情によって対策をとる時間がなく、一刻も早く売らなくてはならない人もいると思います。
その場合、相場より多少安くなってしまいますが、不動産会社にマンションを買い取ってもらう方法もあります。
どうしても売れない場合の最終手段として、覚えておくといいかもしれません。
ただし資金力がある不動産会社でないと買い取ってくれませんので、問い合わせて確認してみてください。
売れるマンションにするために売り出し活動の概要と注意点について知っておこう
よい売り出し活動ができていれば、必然的に買い手は現れます。
逆に言えば、よい売り出し活動ができていないから、買い手がつかないということです。
売り出し活動の概要に沿って、売れるマンションにするための注意点についても説明していきますので、不動産会社と力を合わせて売却を成功させてください。
不動産会社に任せっきりにするのではなく、売主も積極的に売却活動に参加していきましょう。
売り出し価格を適切な金額で設定する
売却活動をスムーズに進めるためには、売り出し価格を適切な金額で設定することが大切です。
マンションをできるだけ高く売りたいという売り手の気持ちはわかりますが、高すぎる販売価格を設定してしまうと買い手がつきません。
そのため売り出し価格は、信頼できる不動産会社が提示する査定額の5〜8%上乗せした金額を上限として決めるのがベターです。
売り出し価格の決め方については、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
マンションの売り出し価格の決め方|成約価格との差をなくす方法を紹介
中古マンションの売り出し価格の決め方について解説しています。売出価格と成約価格の違いや、査定価格をどの程度参考にすれば良いのかについても紹介しています。誤った金額設定をするとマンション売却を失敗させかねませんので注意してください。
レインズへの登録内容に間違いがないか確認する
マンションの売却を依頼された不動産会社は、物件情報をレインズへ登録する義務があります。(一般媒介契約の場合を除く)
レインズとは、インターネット上で迅速に取引の相手方の探索をおこない、成約率を向上させるために作られた宅地建物取引業者間の物件検索システムです。
取引状況は、「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類で表示され、他の不動産会社もこの取引状況を見ながら買い手に紹介できる物件を探します。
レインズへの登録内容に間違いはないか、取引状況は正しく表示されているか、しっかり自分の目で確認してください。
レインズで取引状況を確認したい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マンションを売却するときに重要なレインズを解説!取引状況を確認できる
平成28年1月からマンション売却の取引状況がレインズで確認できるようになりました。この記事では不動産流通機構が運営するレインズについてと取引状況の確認方法について紹介しています。
レインズにおける取引状況の登録制度の導入と売却依頼主専用確認画面の提供について – 国土交通省
マイソクが魅力的かどうかチェックする
マイソクとは、物件の概要やアピールポイントなどをまとめた不動産広告のことです。
不動産会社はこのマイソクを使って、以下の広告活動をおこないます。
- レインズへの登録
- 店頭表示
- 新聞の折り込みチラシ
- 自社のホームページや不動産サイトに掲載
せっかく物件情報を広く行き渡らせるのですから、きちんと物件の魅力が買い手に伝わるマイソクになっていることが重要です。
買い手がそのマイソクを見てマンションを買いたいと思うかどうか、売主も確認しておきましょう。
魅力的なマイソクを作成する方法は、下記の記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。
マイソクでマンションが高く売れるか決まる?作り方の4つのポイント
マイソクとは?この記事では、魅力的なマイソク(販売図面)を作成するコツについても説明しています。作り方を知っておくことで、マンション売却を優位に進めることができます。
手抜かりのないように告知書を記入する
売主は物件の瑕疵など、買主に伝えておくべき事項を告知書に記入して不動産会社に提出します。
マンションの瑕疵は買主に対して、手抜かりなく告知しましょう。
また提出した告知書がきちんと重要事項説明書に反映されているかの確認も、忘れずにおこなってください。
告知書に記入する内容について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マンション売却時の告知義務はどこまで?【隣人トラブル・騒音問題】
マンション売却時の告知義務の範囲について説明しています。隣人トラブルや騒音問題、物件の瑕疵について正しく告知することでトラブルを未然に防ぐことができます。
住宅診断を受けておく
住宅診断とは、専門家に雨漏りのリスクや耐震強度に問題がないかなどを点検してもらうことです。
業界用語では、ホームインスペクションとも言います。
買い手は購入するマンションに不具合や欠陥がないかどうか警戒しているため、住宅診断を受けて問題がないと証明できれば、安心させることができます。
もしも売却したあとに隠れた瑕疵があることがわかった場合、売主にはその瑕疵に対して賠償する責任が生じます。
あらかじめ住宅診断を受けてリスクを明らかにしておくことは、自分の身を守るためでもあるのです。
売主にとっても買主にとっても、住宅診断をおこなうことで将来の不安要素を取り除けるのですから、実施しておくべきでしょう。
住宅診断の費用や流れについて知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
ホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務化に!費用や流れを解説
平成30年4月1日、マンション売却におけるホームインスペクションの説明が義務化されます。住宅診断の説明の義務化で何が変わるのか、診断士に支払う費用はいくらなのかについてまとめています。義務化に備えてホームインスペクションに関する知識を身につけましょう。
物件確認の連絡の数を把握する
広告活動によって物件の情報を見た人から、不動産会社に物件確認の連絡が入ります。
この物件確認の連絡が多いほど、興味を持ってくれている人が多いということです。
物件確認があったからといって必ずしも購入に至るとは限りませんが、連絡の数が多ければそれだけ購入検討者からの反応が良いことが分かります。
逆に物件確認の連絡が全く入らない場合、広告活動に何か問題があることが考えられますので、活動内容を見直しましょう。
買主からの問い合わせ件数は、不動産会社から受け取る営業活動報告書でチェックできます。
営業活動報告書について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
不動産業者から受け取る営業活動報告書のチェックポイントを解説!
不動産業者は売主に対して定期的に営業活動報告書を提出する義務があります。この記事では、業務報告書のチェクポイントについて紹介しています。専任媒介の報告義務に違反したり、業務処理状況報告書の内容が代わり映えしない会社は早めに見切りをつけましょう。
決算日が決まったら引渡しの準備をする
買主との売買契約が済んだら、決算日にきちんとマンションを引渡せるように準備を始めてください。
引渡しまでにしておくことは、以下のとおりです。
- 住宅ローンを組んでいる銀行に売却することを伝える
- 管理組合に脱退することを連絡する
- 引っ越し業者に連絡して予約する
住宅ローンを組んでいる銀行に売却することを伝える
マンションを売却するには、銀行に抵当権を外してもらう必要があります。
買主から受け取る売買代金で住宅ローンを返済する予定の場合は、決算日に売買代金を受け取るのと同時に抵当権抹消の手続きをおこないますので、事前に銀行に連絡しておいてください。
銀行へ連絡するタイミングについて詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
ローン残債のあるマンションを売却するときに銀行への連絡はいつする?
この記事では住宅ローン残債があるマンションを売るときの銀行へ連絡するタイミングについて紹介しています。抵当権抹消手続きまでの流れや一括返済する方法の決め方を知っておくことで、ローンが残っている家の売却をスムーズに進めることができます。
管理組合に脱退することを連絡する
マンションに住んでいる人は全員、管理組合員となっているはずです。
売却するときには、管理組合に売ることを伝えて脱退する必要がありますので、忘れずに連絡しましょう。
管理組合の連絡について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マンション売却で管理組合への連絡はいつする?どこにすればいいの?
この記事ではマンションを売るときに管理組合への連絡をいつ、どこにすれば良いのかについて紹介しています。管理組合への届け出は必須であり、きちんと報告することで売却が最後までスムーズにおこなえます。
引っ越し業者に連絡して予約する
決済日にはマンションを引き渡しますので、それまでに家を空にしておかなければなりません。
人事異動や進学などによって引っ越す人が多い春は引っ越し業者も忙しく、希望日の予約が取りづらくなりますので、引っ越し業者への連絡は早めにしておいたほうがよいでしょう。
管理人からの一言「売れないのは不動産会社の力不足」
マンションがどうしても売れない場合、処分や放棄を考えてしまうかもしれませんが、その前に売却を依頼する不動産会社の変更を検討してください。
なぜなら不動産会社の腕が良ければ、売却できないマンションはないからです。
今まで売却活動をしてくれていたのに途中で変えたら申し訳ない、と思うかもしれませんが、購入者が現れないのは不動産会社の営業力のなさが根本的な原因なのですから、気にすることはありません。
不動産会社を変えることで、マンションを売却するための打開策が見つかるはずですので、勇気を出して変更する決断をしてください。
不動産一括査定サイトを利用するのが効率的
業者選びで失敗しないためには、複数社を比較することが大切です。
その際、不動産一括査定サイトを利用すると簡単に優秀な不動産会社を見つけることができます。
不動産会社を一から自力で探していた人の中には、どの会社が良いのかわからなくなり、決めることができずに半年近く経過してしまったという人もいます。
マンション売却を成功させるために努力をすることは大切ですが、自分の足で不動産会社を探し回っていては、手間と時間ばかりがかかってしまいます。
現在はインターネットで査定依頼できる時代なのですから、利用するのが賢明でしょう。
また比較する会社が多すぎると、必要以上に迷ってしまう可能性があります。
今回の記事が、あなたのマンションを売るための突破口となり、いち早く売却できることを心より願っています。
イエウールで一括査定したら310万も高くなった
管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。
イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。
物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。